7月に東京ビッグサイトで開催された「推し活グッズEXPO」が、インテックス大阪でも9月25日から開催中だ。推し活に焦点を当てた同展示会は、東京・大阪ともに今年が初開催。推し活ブームが今も拡大中であることがうかがえる。
推し活市場いまだ好調か、推し活特化展示会が初開催9月25日から27日まで3日間にわたって開催される今回の展示会。展示会公式サイトでは推し活市場規模の「成長性」のほか、「Z世代マーケティングに最適」としてマーケティング分野での活用にも言及。ペンライトやうちわを含むライブ用グッズなど、さまざまなオリジナルグッズ作成ができるOEM製品が多数出展される。
「推しグッズ」には、バッグやぬいぐるみなどといった従来からの人気アイテムも並ぶ一方で、ペンライトのIoTデバイス化、そしてブロックチェーン技術を活用した電子チケットである「NFTチケット」が浸透しつつあるなど、推し活市場でも着々と技術革新が進んでいる。
高性能化が進むペンライト、価格も上昇特に、ペンライトは10年ほど前から無線制御の技術が大幅に進化したIoTデバイスとなっている。観客が持つ公式ペンライトの色変更や点滅、消灯などのほか、観客席をブロックに分けて文字や絵柄などを表現するため、ペンライトは演出上必要不可欠のアイテムだ。
無線制御機能のほか、近年は3Dホログラムを活用したペンライトも登場している。今年7月にはベビーフェイズが3Dホログラムペンライト「GHOSTICK(ゴースティック)」を発表。
「未来の推し活ペンライト」とされる同製品は、グリップのスイッチを入れることで、通常は透明のアクリルプレートに3Dホログラムが浮かび上がるというものだ。
ただ、高性能化と共にペンライトの価格は上昇続き。たとえばK-POPアイドルグループの分野では、1本3,000円だったペンライトが今では7,500円のものが登場するなど、2倍以上になっている。7月に実施されたインターネットリサーチでも、20代後半の女性が「SDカード付きの光量8倍の8,000円ペンライト」を、“ライブでこれを使った演出をする”という理由から購入したと回答していた。
ペンライトの価格が上昇した背景には、高性能化にくわえ製造コストや素材の物価上昇などのほか、消費者が推し活に使える金額の上昇もありそうだ。「推し」にたくさん課金したファンの方が偉い、という考え方が浸透したファンダムもある。
「Fan Engagement」世界市場はCAGR20%超矢野経済研究所の『オタク』市場に関する調査結果では、アニメ・同人誌・プラモデル・フィギュア・アイドル・コスプレ衣装などのさまざまな「オタク」分野が前年度比プラスの成長を果たしている。なかでもアニメは約2,850億円、アイドルは約1,650億円という大きな数字をたたき出す二大ジャンル。
推し活市場は日本だけではなく、世界的な成長市場だ。The Business Research Companyのレポートによると、「Fan Engagement」分野の世界市場規模は2023年に55億4,000万ドルと評価。2028年までCAGR 21.2%で成長すると予測されている。
(文・Techable編集部)