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【特集】県警の新人を育てる警察学校 記者が「教場」に1日体験 新人警察官が学んでいることとは 《新潟》

TeNYテレビ新潟 2024年7月6日 18時3分

新人警察官が、日々訓練を重ねている「警察学校」。

「教場」とも呼ばれています。

この春、新潟県警にも多くの新人が入校しました。

新人警察官は何を学んでいるのか?

TeNYテレビ新潟の新人記者が訓練を体験しました。

そこで見た「教場」の姿とは?

記者が教場に潜入!朝はランニングから

TeNYテレビ新潟

新潟市西区にある新潟県警察学校。

「教場」の1日は、鐘の音から始まります。

〈学生〉

「1、2、1、2、そーれ」

起きるや否や、早速グラウンドでランニング。

TeNYテレビ新潟の新人記者・長谷川サラの体験入校も、このランニングから始まりました。

6年間、陸上部に所属していた記者ですが実際に訓練を体験してみると……

〈長谷川サラ記者〉

「きついです……」

教場の1日とは?

警察学校の1日のスケジュール

新潟県警察学校には現在、18歳から34歳まで、91人の学生が在籍しています。

大学を卒業した学生は半年間、専門学校や高校を卒業した学生は10か月間、寮で生活しながら様々な訓練を受けるほか、法律などの基礎的な知識を学びます。

画像は、警察学校の1日のスケジュールです。

朝から夕方まで授業。

授業が終わった後も、自主学習やトレーニングの時間があります。

最初の授業は「鑑識」

TeNYテレビ新潟

体験入校、最初は鑑識の授業……

現場に残された指紋をどのように探すか学びます。

〈記者〉

「こういった道具を使って、今から鑑識体験をするそうです」

使うのは指紋を付けるための粉末やブラシ。

ですが……。

〈教官〉

「ちょっと付けすぎかな」

そこで、ハケを使って余分な粉を落とすと……

〈記者〉

「さっきよりもはっきりと指紋が浮かび上がってきました」

新人警察官の思い

TeNYテレビ新潟

続いては記者と学生が2人で協力して作業を行います。

ペアを組んだのは新人警察官の新津谷悠さん。

長岡市出身の18歳です。

手にインクを付けてお互いの指紋を取り合います。

〈新津谷悠 巡査〉

「ちゃんと指紋が色でついてくれるように、意識して押さえています」

高校卒業後、憧れていた警察官になるために新潟県警を志望した新津谷さん。

〈新津谷悠 巡査〉

「今は1日1日を全力で過ごすことが自分の中で目標になっています」

次の訓練は「警笛」

TeNYテレビ新潟

〈教官〉

「3歩前へ進め!」

続いては教官の指示に合わせて笛を鳴らす「警笛」の訓練。

隣の隊員とのタイミングを意識して、1秒間笛を鳴らすのですが……。

〈記者の笛〉

「ピー」

〈教官〉

「もうちょっと強く吹きましょう」

「今回は音が弱かったので、腕立て伏せをやってもらいます。腕立て用意!」

連帯責任ということで、全員で腕立て伏せをすることに……。

新人警官からアドバイス

TeNYテレビ新潟

〈星田陽叶 巡査〉

「とにかくお腹から出す感じで、強く1秒間吹く」

声をかけてくれたのは、新人警察官の星田陽叶さんです。

新潟市出身の20歳。

専門学校を卒業後、警察学校に入校しました。

10年間に渡って野球に打ち込み、肺活量には自信があるといいます。

星田さんからのアドバイスを受けて、練習すると……

〈記者の笛〉

「ピー!」

〈星田陽叶 巡査〉

「最初より音が強くなっていて良いと思います」

そして、いよいよ本番!

しかし……

〈記者の笛〉

「ピー」

うまく鳴らすことはできませんでした。

〈記者〉

「すごく心残りで、ちょっと悔しい気持ちです」

新潟県警の課題は

TeNYテレビ新潟

県民の安全を守る新潟県警。

しかし今、課題を抱えています。

その志願者数が、年々減ってきているのです。

画像は、採用試験の応募人数の推移です。

2015年には1500人ほどが警察官の試験に応募しましたが、昨年度はおよそ3分1にまで減少しました。

そこで新潟県警は、4年前から採用する年齢の上限を引き上げるなど、対策を進めています。

<採用年齢の上限>

・大卒者 30歳→35歳へ引き上げ 

・大卒者以外 30歳→33歳へ引き上げ

〈教官〉

「警察という仕事は、一般的には厳しいイメージがあると思います。ですが、ここに入校している学生は、みんな志高く『警察官になりたい』という気持ちをもって入校しているので、私たち教官もその気持ちに応えるべく全力でサポートしていきたい」

県民を守る!「警備実施」

TeNYテレビ新潟

体験入校の最後の授業は県民や自分を守るための「警備実施」の訓練です。

この日の気温は30度超え……

記者はもちろん、学生たちの表情にも疲れの色がにじみます。

〈教官〉

「つらい時につらそうな顔をする、失敗したからへらへら笑う、弱そうに見える。弱そうに見える顔はしない、強そうな顔をしてください」

最初は、教官が移動する場所に全力で走って整列する「集合離散」をおこないます。

相手を威嚇するため大声を出しながら何度も走り、集合を繰り返します。

〈教官〉

「だんだんいい顔になってきたぞ」

最後は盾を持ってランニング

盾を持ってランニングする長谷川サラ記者

授業はこれで終わり!……かとおもいきや……1日のクライマックスが!

重さ5.5kgもある盾を持って、グラウンドの周りを走ります。

〈記者〉

「これを持って走るのは想像つかないです」

「きつい……」

限界まで力を振り絞った新人警官たち。

全員で励ましあいながら、何とか訓練を終えることができました。

〈記者〉

「非常に疲れました。でも、さわやかな汗をかいている感じがします」

今回、記者を手助けしてくれた新人警察官たちは……

〈新津谷悠 巡査〉

「ここでの寮生活においても授業においても、すべて現場に直結することなので、すべて全力で取り組んで、自分の能力として高めていきたいです」

〈星田陽叶 巡査〉

「勉強の面でも、体力の面でもつらいことはあると思うが、ここで負けては立派な警察官になれない。みんなと協力して、乗り越えて、県民から信頼してもらえるような警察官になりたいです」

県民に信頼される警察官へ……。

その一歩を踏み出した学生たちは、きょうも厳しい訓練に励んでいます。

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