中国による日本産水産物の輸入再開に向けて日中両政府が調整に入っています。主に中国向けのナマコを養殖する佐渡市の業者はまだ先行きが見えないと不安を口にしています。
9月23日―
上川外務相が中国の王毅外相と会談しました。
議題に上がったのは福島第一原発の処理水についてです。
処理水の放出に反対する中国。去年8月、日本産水産物の輸入を全面禁止にしました。それから1年あまり経ち、日本政府とIAEA・国際原子力機関が海水などの監視を拡充することで一致し中国側が輸入を再開する方針を示したということです。
23日の会談で上川大臣は「規制の撤廃に向けた進展を確実にしていきたい」と述べました。
中国は輸入を再開させるのか…
佐渡市では年間約30トンの乾燥ナマコを中国に輸出していました。
〈須藤由彦さん〉
「率直には嬉しいですけどやっと始まったかと思うところなんですが、日本の政府としてもいついつという日にちも決まってないですし」
そう話すのは佐渡市でナマコの養殖を行う須藤由彦さんです。
こちらの会社では稚ナマコを生産していましたが、先行きが見えないことから中国から雇っていた技術者が帰国。放流用としての出荷は注文もストップしています。
須藤社長は中国の関係者と連絡を取り合うなかで日本との温度差を感じているといいます。
〈須藤由彦さん〉
「中国の政府の報道と日本の国の報道と話が全然遠いところにあったので私らの考えとしたらいつになるかわからない。いつも通り生産してまず物を持っていないと売れもしないし。(ナマコは)生きているので殺すわけにいかないし。経費がかかっても日々淡々とやるしかないです」
中国側が輸入を再開する時期について岸田首相は「具体的にいつまでということは明らかになっていない」と説明しています。
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