文部科学省は10月31日、令和5年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しました。
それにと県内の小中学校で昨年度1年間に30日以上欠席した児童・生徒数は前の年より858人多い5,617人で、8年連続で過去最多を更新しました。小・中・高の暴力行為の発生件数は4,109件で前の年より273件増加。児童・生徒1000人当たりの発生件数は18.1人で全国最多です。件数が増えたことについて県は「些細な行為であっても教職員が見逃さずに認知し、初期対応が行われたことによる」としながらも「暴力行為そのものが増えていることは由々しき事態」と危機感を強めています。
「不登校」小・中学校で増加顕著 コロナ明けても学校来られず
学校別にみると小学校では前の年より425人増えて2,046人、中学校では前の年より433人増えて3,571人でした。要因について県教育委員会は「学校生活に対する無気力、生活リズムの乱れ、漠然とした不安など、多岐にわたる」と回答。一方新型コロナウイルスによる休校後、「前の生活リズムに戻れない」、「学校に来られない」、「いまもマスクが外せない」などコロナ禍を過ごしたことによる影響とみられるケースもあるとしています。
対策として「校内教育支援センター」と呼ばれる教室に入りにくい子どもを受け入れる“第二の教室”の拡充を進めるほか、引き続き相談しやすい体制作りなどに力を入れたいとしています。
「1000人あたりの暴力行為の発生数」全国最多 怒りのコントロール難しく
小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は4.109人で前の年より273件増加しました。児童・生徒1000人当たりの発生件数は全国8.7人に対し18.1人で3年連続で全国最多となっています。
学校別でみると小学校が前の年より155件増の3,115件で最も多く、次いで中学校857件、高校137件でした。県は「いじめの認知に伴うものや、些細な行為であっても教職員が見逃さずに認知した結果」とする一方「大けがをするような事案は少ないものの、暴力行為そのものが増えているのは由々しき事態」と危機感を示しました。
また、発生数が最も多い小学校については、「現場感覚では低学年を中心に“キレやすい子”が多くなっている。」として「専門家の知見を踏まえた新しい対応策を考えたい」と述べました。
いじめ認知件数も前年増
小・中・高等学校と特別支援学校におけるいじめ認知件数は2万403件で前の年より759件増加。1000人あたりの認知件数は97件で全国平均の57.9件を上回っています。
県は「いじめの積極的な認知に努めたことが件数の多さにつながっている」としつつ、生徒指導体制等の検証と見直しや、SNS 教育プログラムをはじめとした未然防止教育の徹底に努める考えを示しました。