10月27日に投開票が行われた衆議院選挙。
自民党には県内でも逆風が吹き荒れました。政治資金をめぐる“裏金問題”で窮地に立った新潟2区の細田健一氏と新潟5区の高鳥修一氏。
一方、5度目の因縁の対決となった新潟3区。笑顔と涙……勝敗の分かれ目をまとめました。
10月27日、投票が締め切られた午後8時すぎ。
会場は、沸きあがりました。
その裏では……
新潟2区・細田健一氏
「菊田さんが勝利宣言してるんですよ」
戸惑いや……
新潟5区・高鳥修一氏の妻
「ごめんね、ありがとう」
涙も……
12日間にわたる選挙戦の勝敗が決しました。
「涙」と「笑顔」新潟2区 細田健一氏×菊田真紀子氏
“裏金問題”を巡って与野党の攻防が展開されたのが新潟2区です。
立憲民主党の菊田真紀子氏と自民党から非公認となり無所属で出馬した細田健一氏の論戦が注目されました。
“裏金問題”で流れていった党の公認。神は味方してくれるのか。
〈細田健一氏〉
「その皆さま方ひとりひとりの声、顔を思い浮かべると私は本当に感謝の言葉しか…助けてください!」
「冗談じゃないですよ」
〈菊田真紀子氏〉
「(細田さん)泣いてましたね。『助けてください』?冗談じゃないですよ」
菊田真紀子氏 ダブルスコアで圧勝
裏金問題をめぐる激しい攻防。
自民党の非公認になった細田健一氏。心強い応援がありました。
〈自民党 高市早苗・前経済安保相〉
「いろいろあったかも知らんけど、いろいろあったかも知らんけれども、必要な人間、働ける人間、日本国新潟県にとって必要な人間」
しかし、追い打ちとなったのが最終盤で明らかとなった“2000万円”の支給問題です。
Q)今回の党本部の対応が与える選挙戦への影響は?
〈細田健一氏〉
「これはもう私にはわかりません。頑張って2日半訴え続けるしかない」
そして迎えた審判の日。
午後8時に当選確実が伝えられた菊田氏。12万票以上を固め、細田氏にダブルスコアで圧勝。
無所属の細田氏…国政復帰の道が断たれました。
勝敗の分かれ目「支持層固めきれず」
これは出口調査の結果です。
細田氏は自民党の支持層を5割程度しか固めきれず、立憲民主党の菊田氏に3割ほどが流れていることがわかります。
〈菊田真紀子氏〉
「この自民党の政治とカネの問題。そして言い訳ばかりしてまったく誠実な国民へのお詫びもない、けじめもない反省もない、こういう政治に対して、みなさんがしっかりと怒りの思い、受け止めていただいたんだと思っています」
〈細田健一氏〉
「派閥からのキックバックの問題ということもあり、また党からのいろいろな処分もそれを裏書きするような形になってしまったので二重苦三重苦の選挙だった」
新潟5区 ”不祥事”対決 梅谷守氏×高鳥修一氏
〈梅谷守氏〉
「改めまして私の軽率な行動を深く反省しております。誠に申し訳ありませんでした」
かたや、有権者に日本酒を……
〈高鳥修一氏〉
「心からお詫びを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」
かたや、政治資金の不記載。“不祥事”対決となった2人。
新潟5区では立憲民主党の梅谷守氏と自民党の高鳥修一氏が一騎打ちに。
お互いにとって逆風でしたが、結果は梅谷氏が高鳥氏に2万票以上の差をつける結果に……。
前回の130票差での勝利から差を広げました。
出口調査の結果では梅谷氏は無党派層の6割以上に浸透し広く支持を集めました。
高鳥氏は比例代表との重複立候補が認められなかったため、落選となりました。
〈高鳥修一氏〉
「やはりですね、裏金という言葉のレッテル貼り、 非常に厳しい選挙であったと思います。この期間で十分な皆さんからご理解がいただけなかった。このことは非常に残念だったと 思っています」
再選を果たした梅谷氏。有権者から託された議席……その重みをかみしめていました。
〈梅谷守氏〉
「『どちらに入れたらいいのかね』と判断を迷う有権者の方々も相当多かったと思いますので、もう感謝しかないです。これについてはありがたいしかないです」
因縁対決 新潟3区 黒岩宇洋氏×斎藤洋明氏
今回は、区割りの変更後、初めての選挙。
新潟3区では影響が色濃く表れました。
これまで激戦を繰り返してきた2人。歴史に残る“50票差”。
熾烈な戦いは、今回も……。
〈黒岩宇洋氏〉
「自民党政権、この3年間を見て私はつくづく怒りを覚えましたよ」
〈斎藤洋明氏〉
「私自身も自民党は改革しなければならない、生まれ変わらなければいけない、そう強く感じています」
5度目となる“因縁の対決”。
約1万票の差で黒岩氏が雪辱を果たしました。
斎藤氏は小選挙区で敗れましたが比例復活しています。
新潟3区はこれまでの県北部エリアに加え、新潟市秋葉区と北区の全域が選挙区となりました。
ほとんどの市区町村で接戦となりましたが、特徴的だったのが新発田市と新潟市秋葉区です。
新発田市は有権者が8万人近い大票田です。
無党派層の取り込みで先行した黒岩さんが2000票ほどの差をつけました。
そして大きく影響したのが新エリア・新潟市秋葉区。
新発田市に次ぐ6万人以上の有権者を有します。ここで、約7000票の差をつけ引き離しました。
〈黒岩宇洋氏〉
「新しい所にどれだけ飛び込んで行けるかという、一つの大きな今回の選挙のテーマでしたので、すばらしい反応をいただいたと感謝しています」
斎藤氏は新エリアでの選挙戦をこう振り返ります。
〈斎藤洋明氏〉
「状況が厳しいにもかかわらず応援をしていただくにはある程度人となりが知られていなければ、それは所属政党で判断するのはもっともなことだと思うので、その意味では新区割りでの戦いは余計苦しかったかなとは感じています」
裏金問題をめぐる論戦や新エリアを舞台にした与野党の攻防。
風をつかんだ野党に軍配があがりました。
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