「なんで助け出せないのか。不思議でむなしい」拉致被害者の横田めぐみさんの母・早紀江さんが進展しない現状について悲痛な思いを語りました。
13歳だった横田めぐみさん。
北朝鮮に拉致されたのは1977年11月15日。
あれから47年…声を上げ続けているのにいまだに帰国は実現していません。
めぐみさんが拉致された日にあわせて毎年開かれる県民集会。88歳になった母の早紀江さんはオンラインで参加しました。
〈めぐみさんの母・横田早紀江さん〉
「長い年月、ものすごく大切な問題が全く動いていかない。国家間の問題で非常に難しいとは思いますけど、助け出すことができないんだろう、そこが一番わからないですね。何があるんだろうという不思議な感覚で、このごろはわからない、むなしい感じがしています」
拉致問題の長期化により「家族会」の親世代で存命なのは早紀江さんを含め2人だけです。
〈めぐみさんの弟・横田拓也さん〉
「(母が)亡くなったあとに仮にめぐみが帰って来ても決して喜べないということを北朝鮮当局はわかってほしい」
めぐみさんの家族が求めるのは、日朝首脳会談の実現。
そしてアメリカの新しい大統領による北朝鮮への働きかけも求めます。
〈めぐみさんの弟・横田拓也さん〉
「トランプ元大統領が再選して北朝鮮もおそらく対話の糸口を裏では期待しているし、わかっているんだろうと思う。そこに日本政府がしっかり食い込んで、ねじ込んで米朝交渉の中に必ず拉致問題の解決がなければ日本からの経済支援、人道支援はないんだということを言ってもらう」
県民集会には拉致被害者の曽我ひとみさんも参加しました。
曽我さんは北朝鮮に拉致されていた時、「招待所」と呼ばれる隔離施設でめぐみさんと過ごした思い出を明かしました。
〈拉致被害者 曽我ひとみさん〉
「その時に2人で映画を観ていました。その映画を観ながら同じ時に同じ時間に2人して大きな声を出して笑ったんです。あの映画の時のように今度は日本に帰って来てみんなと楽しいことをたくさんしたい」
ともに拉致された曽我さんの母・ミヨシさんも帰国を果たせていません。
進展を見せない拉致問題。
訪れた人からもどかしい思いが語られました。
〈訪れた人〉
「総理大臣が変わるごとに期待しているんですが。解決の方向に向かわないというのはもうちょっと力入れてほしい」
「早くこの問題は解決してほしいです」
「お母さんには絶対会わせてあげたいと思う。私たちにできることはどうすればいいか。みんなにお話しするしかないの」
一日も早い再会を願い、母から娘へ語りかけました。
〈めぐみさんの母・横田早紀江さん〉
「日本が助けてくれる。みんな世界の人たちも見守っていますから。元気で帰ってくるまでは生きていてください」
県民集会では拉致問題の全面解決を求めて3万票を超える署名が政府に渡されました。
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