3年前、妻と当時1歳の娘を殺害した罪などに問われている元看護師の男に対し、無期懲役の判決が言い渡されました。不倫を続けるため殺害したという動機について、新潟地裁の裁判長は「酌むべき点は皆無」と断罪しました。
11月22日、紺色のスーツを着てうつむきながら出廷した渡辺健被告。
髪は丸刈りに…
表情は弱々しく判決を待つ間、一点をじっと見つめていました。
新潟市南区の元看護師・渡辺健被告。
2021年11月、妻と当時1歳だった娘の首をロープで絞め、殺害した罪に問われていました。
また妻に睡眠薬を飲ませて車を運転させ、娘と一緒に殺害しようとした殺人未遂。妻を殺害する目的で勤めていた病院から塩化カリウムを盗んだとして殺人予備と窃盗の罪でも起訴されています。
事件から3年が経ち始まった裁判。渡辺被告は殺人については「間違いありません」と認めました。
一方、殺人未遂と殺人予備の罪については殺意を否定していました。
検察側が殺害の動機として指摘したのが……
〈検察〉
「職場の同僚である不倫相手との関係を継続するにあたり障害となる妻や娘を排除するためだった」
さらに裁判では渡辺被告が2人を殺害後、自殺にみせかけようと妻のスマホから偽装した遺書を自分宛てに送信していたことが明らかになりました。
検察側は身勝手極まりない動機で犯行態様も重大で悪質として無期懲役を求刑。
一方の弁護側は「被告は少しずつ反省を深め更生可能性がないとは言えない」などとして有期刑を求めていました。
そして迎えた判決の日。
〈小林謙介裁判長〉
「主文、被告人を無期懲役に処する」
22日の判決公判で新潟地裁は起訴されたすべての罪を認定。
争点となっていた殺人予備の罪については「加害目的以外に塩化カリウムを持ち出す合理的な理由は見当たらない」と殺意があったと認めるのが相当としました。
小林謙介裁判長は渡辺被告に対して「自身の非を棚上げにした極めて自己中心的で身勝手なもの動機に酌むべき点は皆無である」と断罪。
無期懲役を言い渡しました。
弁護側は判決を受け、被告と相談の上、控訴するか検討したいとしています。
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