新潟県産米のことしの収穫量は「やや不良」となる見通しです。県はコメの主要産地として安定的な供給は大きな課題だとして肥料をまく回数を増やすなど対策を強化する考えを示しました。
去年ほどではないものの、県内はことしも天候に苦労した年となりました。
県やJAなど関係機関が集まり、ことしの分析や今後の対策が話し合われた会議。
〈県 農林水産部 神部淳技監〉
「6月下旬から7月にかけて日照が例年より不足していたのではないか。あるいは8月中旬から9月にかけて高温傾向であったとともに記録的な豪雨にも見舞われた年。皆さんにとって厳しい気象状況下だった」
県内は去年、記録的な猛暑に見舞われ、コシヒカリの一等米比率が4.7%と過去最低水準となりました。(3月末現在の速報値)
ことしは現時点で71%と平年並みで、回復しています。(先月末現在 検査機関聞き取り)
一方、懸念されているのは収穫量です。
北陸農政局によると、ことしの県内の予想収穫量(主食用)は54万3500トン。去年に比べ作付面積が広がった影響で2万9400トン増える見込みです。
しかし、10アール当たりの収穫量で平年と比較する作況指数をみてみると2年連続で「やや不良」の見通しに…
県はその原因の一つに茎の栄養不足をあげています。
ことしは苗を育てる4月に気温の高い日が続いたため成育が早まり適切なタイミングでの田植えにならなかったといいます。
さらに田植え直後の5月下旬から6月上旬に低温や強風の影響を受けたということです。
〈県 農産園芸課 渡部浩課長〉
「2年連続、作柄が振るわなかったところが大きな課題として残っているので、次年度も食料供給基地として新潟県として安定してコメを供給しおいしく食べていただけるように引き続き取り組みを進めてまいりたい」
県は来年度以降の対策として、適切な時期に種をまくこと。肥料をまく回数を従来の2回から3回に増やすことなどをあげています。
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