昨年の新潟市の救急車の出動件数は4万5000件以上と過去最多を記録しました。そこで新潟市は、救急搬送の効率化を図るため新たな情報通信技術を導入することを決めました。
11月29日、新潟市消防局で行われた救急搬送のデモンストレーション。現場に到着した隊員がケガの程度を確認しています。
すると…
〈救急隊員〉
「ちょっと傷口の写真を撮らせてください。取り込みました」
タブレット端末で傷口の写真を撮影し、受け入れを要請する病院に送信しました。
さらに…
〈救急隊員〉
「音声入力で取り込み実施(了解)自転車で走行中、縁石に乗り上げ、バランスを崩して転倒」
状況を説明すると自動で文字起こし…
このICT支援システムを使った取り組み、救急搬送を効率化するため導入が決まりました。
〈新潟市消防局 救急課 川田隆康課長〉
「今回、ICTを導入して文字認識機能や画像送信機能をする(使う)ことで情報を「見える化」して病院に送り、病院照会時間を短縮する」
現在はけがや病気の人の情報を電話で伝えたり、紙とペンで記録していたりしていますがこの支援システムを使えば、音声入力や画像読み込みなどでいち早くデータに。
画像や情報を医師や看護師にも速やかに共有できるため病院側も受け入れ可否の判断に活用。
さらに「電子カルテ」にも利用できるためその後の治療をより迅速に行えるといいます。
新潟市消防局によると、昨年の新潟市の救急出動件数は4万5405件で過去最多を記録。今後も高齢化などによる救急出動の増加が懸念されているといいます。
この支援システムを使えば、迅速な情報共有によって医療機関に搬送するまでの時間が短縮され、隊員の事務負担の軽減にもつながると期待されています。
〈新潟市消防局 救急課 川田隆康課長〉
「今後も高齢化の進展により救急出動が増加していくことが 予想される中で、救急車が病院に到着する時間が延伸するという懸念があります。早く到着するということは傷病者の予後にとって非常にプラスになるのではないか」
新潟市消防局ではこのシステムを来年1月から導入する予定です。
市民に対しては、迅速な対応のために救急搬送時の個人情報提供への協力を呼びかけています。