自治体に寄付することで様々な返礼品がもらえる「ふるさと納税」利用している人も多いのではないのでしょうか。
寄付を受ける自治体にとっても大きな財源となるこの制度。中にはことし、寄付額が去年の11倍に増えた自治体も。その理由は「令和のコメ騒動」の影響でした。
〈見附市 地域経済課 魅力戦略室 石井梓さん〉
「出勤してすぐにきのうの寄付額どうだったか確認してまして」
Q)市長からは?
「毎月報告をするんですけど、おめでとうございますということで」
見附市でふるさと納税を担当する石井梓さん。
笑顔のワケは……
〈見附市 地域経済課 魅力戦略室 石井梓さん〉
「(ふるさと納税が)前年同期比でだいたい11倍ほど増えました」
去年の4月から11月までに2800万円ほどだった寄付額が3億円以上に。初めての1億円超えだといいます。
特産のニットに、市内の工場で作られたストーブ。市内で収穫されたコメ。この返礼品のなかに躍進の理由があります。
〈見附市 地域経済課 魅力戦略室 石井梓さん〉
「おコメの寄付が圧倒的に伸びたというところですね」
見附市は、まち特産の繊維産業をPRしたり、返礼品の露出を増やしたりするなど寄付額のアップに向けて取り組みを進めていました。
そこで起きたのが…「令和の米騒動」です。
店頭からコメが無くなると、全国から返礼品のコメの注文が殺到したというのです。
〈見附市 地域経済課 魅力戦略室 石井梓さん〉
「コメ不足の需要もありましたので。その需要にうまく応えられた」
令和のコメ騒動は見附市だけではなく“コメどころ新潟”全体に大きな影響を与えました。
TeNYでは県内の全市町村にアンケートを実施。
見附市は1125パーセント、出雲崎町で430パーセント、糸魚川市で277パーセントなど県内の半数以上の自治体で去年より寄付額が増えたと答えました。
その多くがコメの需要が増えたことを理由にあげています。
一方である自治体はコメの確保ができず、去年より寄付額が減ったと答えています。
11倍に増やした寄付金で「子育て支援に力を入れたい」と話す見附市。今回のコメの需要をきっかけにさらに街のことを知ってほしいと話します。
〈見附市 地域経済課 魅力戦略室 石井梓さん〉
「こちらにもありますように見附市は繊維産業もすごく盛んで、おコメ以外の返礼品がどんどん人気になるように違った工夫をしていけたらいいなと思っています」
ことしのふるさと納税の動向について仲介業者の「さとふる」は。
〈さとふる広報 井田尚江さん〉
「一つ目が物価高の影響が上げられます。去年2023年までは人気のお礼品ランキングのトップ10のワードは食品が占めていたんですけど、ことしははじめて日用品が5位と6位にランクインしました」
また、これまでは高級な食材が人気でしたが、ことしは日常的に使える小分けの食材が人気で去年の1.4倍以上に増えているといいます。
ことしも残すところあとわずか。
指定日までに寄付を済ませれば年内に届く、お肉や魚介類…おせちにつかう数の子など出費がかさむ年末年始の助けにオススメだといいます。
〈さとふる広報 井田尚江さん〉
「控除上限額を活用してお正月・年末年始楽しく過ごしていただくのにぴったりかなと思います」
物価高や令和のコメ騒動。
ふるさと納税の動向にはことしの世相が現れていました。
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