新年の宮中行事「歌会始の儀」が1月22日、皇居で行われました。入選した10人の短歌のうち県内からは上越市の女性と東京学館新潟高校卒業生の2人の作品が選ばれました。「夢」をお題に31音に込めた思いとは…。
皇居に響いた31音。新年恒例の「歌会始の儀」です。ことしのお題は「夢」。海外を含め1万6000首を超える応募がありました。このうち入選した10人の短歌が天王皇后両陛下の前で披露されました。県内からは上越市の元中学校教員・大堀みきさんが選ばれました。
『「戦争」の対義語は「夢」生徒らは班学習で言葉を探す』
大堀さんが教員を務めていたとき、生徒が「戦争」の対義語を「夢」と表現したことを歌に詠みました。
【上越市・元教員 大堀みきさん】
「伝統とか文化の重みというのを直に感じさせていただいたなと思っています。(陛下から)生徒さんたちはよい学びをしましたねというお言葉をいただきました」
そしてもうひとり。
東京学館新潟高校出身で現在は東京の中学校で教員を務める栗田岳さんの歌。
『祖父の居た小さき漁港の夢覚めて 潮の匂ひはかすかに立ちぬ』
栗田さんが短歌と出合ったのは高校生のころ。約20年前から短歌を授業に取り入れている東京学館新潟高校。これまでも多くの生徒が歌会始の儀で入選してきました。高校卒業後、大学の文学部に進学した栗田さん。短歌を続け、大学生のころには大会で最高賞を受賞しています。
『解体を終えて祖父母が居た土地は百年ぶりの春を吸いこむ』
以前から題材にしてきた祖父母との思い出にまつわる歌で今回入選を果たしました。
【東京学館新潟高校出身 栗田岳さん】
「この歌会始の儀というのは私にとって人生の目標であり、夢であった存在です。皇后さまから今後も歌をたくさんお作りになって頑張ってくださいというお言葉をいただきまして今後、短歌を続けていくうえで源になるありがたいお言葉でした」
31音に込められた様々な「夢」。来年のお題は「明」と発表されています。