先週から続く大雪で県は10日、新たに上越市と津南町に災害救助法を適用しました。この週末は、新潟市の中心部でも記録的な大雪に見舞われました。気象台に取材すると短時間の局地的な大雪を予測することの難しさが浮かび上がりました。
先週から続く強い冬型。県は10日、新たに上越市と津南町に災害救助法を適用すると発表しました。
今シーズン最強、そして最長と言われた寒波は週末、新潟市の中心部を襲いました。7日金曜日、中央区では午後8時までの3時間に26センチ、東区松浜では午後9時までの3時間に30センチの降雪を観測。気象台は「顕著な大雪に関する気象情報」を発表しました。
東区松浜にある新潟空港です。7日午後3時の時点では滑走路がはっきり見えていましたが…時間を追うごとにみるみる白く染まっていきました。運転中、吹雪で視界が遮られる瞬間も。
新潟市内では7日午後11時までの6時間で観測史上1位となる44センチの雪が降り、積雪は平年の5倍となりました。
JRの在来線は午後10時以降、運転をすべてストップ。新潟駅は帰る手段を求める人であふれ、タクシーやバスを待ち多くの人が列を作りました。
〈市民〉
「タクシーいなくて帰れなくて。初めて見ましたこんなの」
「もう最悪です」
一夜明けた新潟駅では…
〈まちの人〉
「きのうから帰ろうと思ったら(電車が)止まって乗れなくて、初めて新幹線に泊めていただいて」
宿泊用に開放された新幹線で一夜を過ごした人も。缶詰のパンや水が配られたといいます。
当時、何が起きていたのか。気象台の担当者は雪雲が線状に連なるJPCZとその上に発生した低気圧が影響したと話します。
〈新潟地方気象台 塩野勉 主任予報官〉
「雪雲の動きと衛星の画像ですが、ここで渦を巻いているものが見えると思うが、この低気圧の東西にのびるように発達した雪雲があると気象レーダーの観測からもわかると思うんですが、当初の見通しでは、ここまで局地的、急速に発達するような予想はなかなか難しかったですが、実際、現象が発生してからの動きとしては急激に発達してしまって、大雪となってしまったということになります」
「顕著な大雪に関する気象情報」は2019年から運用が始まりましたが、今回のような平地での局地的な予想は難しいといいます。
〈新潟地方気象台 塩野勉 主任予報官〉
「通常の場合、冬型の気圧配置が強まるときは山沿いを中心に多くなることは皆さん経験されていると思う。今回のように平地で大雪となるのは例もそれほど毎年多くあるわけではないし、特にこういう局地性が高いものは予想がとても難しい」
新潟市の平野部にも大雪をもたらした最強・最長寒波。気象台は「県などと共同で会見した際には普段より大雪が降りやすい状況であると念頭において備えをしてほしい」と呼びかけています。
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