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元タカラジェンヌの有沙瞳 私が長良プロダクションを選んだ理由 7月に初ディナーショー

東スポWEB 2024年5月28日 12時15分

女優で歌手の有沙瞳は昨年、宝塚歌劇団を退団し、芸能界入りした。先日までミュージカル「CROSS ROAD」で熱演し、7月には自身初となるディナーショーが控えている。宝塚退団後、活躍の幅を広げている有沙はどのような未来予想図を描いているのか。

――2023年8月の東京公演千秋楽をもって退団した

有沙 宝塚でやりきったら芸能活動もやってみたい、違う世界を見てみたいという思いをもともと持っていたので、コロナ禍前くらいには辞めることを考えてました。結婚したら辞めなきゃいけないですけど50歳、60歳になるジェンヌさんもいます。そういう人が出る舞台はやっぱり重みが出るんですよ。私も残ることを考えたことはありますけど、やっぱり違うことをやりたいという思いが強かったです。

――新たなスタートとして、田川寿美、水森かおりら演歌歌手が多く所属している長良プロダクションを選んだ

有沙 演歌が好きだっていうのもありましたし、事務所に宝塚を卒業したOGがいなかったのも大きかったですね。それに演歌歌手の方だけでなく、ミュージカルの役者さんが所属されたりして、やりたいことがやれる環境かなって思いました。

――宝塚に入る前は演歌歌手になるのが夢だった

有沙 実は小さいころ、すごく引っ込み思案で、おばあちゃんから「ちゃんと大きな声で話しなさい」って言われるような子供だったんです。おばあちゃんが、そんな私の性格を変えなきゃと考えて、歌を習い始めました。

――そのころはどのような曲を歌っていた

有沙 石川さゆりさんや坂本冬美さんの曲はもちろんですし、田川寿美さんの「女人高野」や水森かおりさんの「鳥取砂丘」も大好きでした。「NHKのど自慢」に本気で出たかったし、本気で演歌歌手を目指していた時期もあったんです。

――それでも宝塚を目指した理由は

有沙 通っていた塾の先生が宝塚ファンで、その先生と一緒に宝塚の舞台を見たことがきっかけです。祖母の勧めで小さいころに演歌を習い、趣味でバレエも習っていたので、歌も踊りもできる世界だと考えました。中学を卒業するときに受験しました。その時は3次試験までいったんですが、そこで不合格になってしまったので高校に通いながら、次の年にもう一度チャレンジしました。

――祖母の後押しも大きかった

有沙 演歌を習うきっかけをくれたおばあちゃんが「宝塚一本でいきなさい!」って言ってくれたので、宝塚に勝負をかけました。私はスクールには入らず受験しました。ただ、高校生の時は宝塚一本に目標を定めて、それまで習って、憧れていた演歌歌手への夢はきっぱりやめました。

――10年に宝塚音楽学校に入学し、12年に98期生として宝塚歌劇団に入団。13年に雪組配属となった

有沙 宝塚には花組、月組、雪組、星組、宙組の5つあるのですが、私は雪組になりましたね。組にはそれぞれ個性があって、雪組は繊細、丁寧っていうイメージなんです。2016年に星組に移るのですが、星組は派手というか、自分の個性を生かしてみんなもそれを受け入れて、それが一つにまとまっているような印象です。

――娘役として活躍した

有沙 宝塚は男役ありきの世界なんです。男役さんを引き立てるのが娘役。男役をすてきに見せ、それが“美”とされている世界なんです。私は娘役でもトップという立ち位置ではなかったので、かわいい役だけでなく、「ロミオとジュリエット」で乳母を演じたりと、いろいろな役をやらせてもらえました。

――宝塚時代はどんな暮らし

有沙 近くのマンションで一人暮らしをしてました。宝塚の街って狭いので同じマンションにジェンヌさんがいっぱい住んでいるんですよ。街を歩いていてもジェンヌさんばかりですし。休みの日も一緒だと、気が休まらないって人もいますけど、私は近くにいましたね。

――食事面とかは

有沙 料理はしなかったですね。出身が三重なので、両親が作りに来てくれたり、私は40人同期がいるのですが、一緒に食事に出かけたりする機会が多かったです。

――同期生は仲良い

有沙 家族ではないですが、仕事だけの関係性でもないし、友達以上でした。同志というか、もっと濃い関係ですね。だから卒業した今となっては、周りに同期がいない寂しさも感じています。

――そんな仲間との関係性の強い宝塚で昨年、いじめ問題が起きた

有沙 卒業した後のことなので、その問題については分かりませんが、ああいう形で宝塚が広まったことは私としては悲しいなあっていう思いですね。私の中で宝塚はすごくすてきな場所だし、故郷ですし。15、16歳の子が入って、ファンの皆さまがジェンヌさんの成長を見守り、応援してくださって、一緒に泣いて、一緒に笑ってという本当に温かい愛のある場所だと思ってるんです。100年続く伝統のある宝塚ですし、その良さを知っていただきたいなという思いはありますね。

――7月15日には第一ホテル東京で、7月20日には宝塚ホテルでディナーショーを行う

有沙 卒業してすぐに同期の飛龍つかささんのディナーショーに出たことがあったんです。宝塚時代は彼女が頑張る姿を見て、私も頑張ってきたところがあるので、輝いている彼女を見て、私もいつかディナーショーをしたいと思っていました。

――ゲストには元宝塚の天寿光希さんが出演

有沙 同じ星組さんだったのですが、お芝居でも絡むことが多く、ご縁もあったので、私と天寿さんのペアを見るだけでもファンの方は喜んでくださるのかなって思っています。

――宝塚OGとして始まったばかりですが、今後はどのようなタレントになりたい

有沙 舞台、ドラマ、映画はもちろんですが、声優とかにも興味ありますし、コメンテーター的なこともやってみたいです。舞台をやらせてもらってみて感じたのですが、やっぱりすごい役者の方っていっぱいいらっしゃるので、一人でも多くの役者さんと一緒になって、その人の素晴らしいものを吸収していけるようになっていきたいですね。

☆ありさ・ひとみ 8月4日生まれ、三重県出身。2010年に宝塚音楽学校に入学、12年に98期生として宝塚歌劇団に入団。16年に雪組から星組に組替えとなり、21年に「ロミオとジュリエット」で乳母役、23年に「1789―バスティーユの恋人たち―」でマリー・アントワネット役を演じた。同年8月27日に宝塚歌劇団を退団。10月に長良プロダクションに所属した。趣味は歌唱、写真撮影、神社めぐり。

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