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【ソフトバンク】全治4か月の柳田悠岐 生きざま学ぶ〝弟子〟に返信「お前が頑張ったからじゃけえ」

東スポWEB 2024年6月2日 22時0分

ソフトバンクの絶対的主砲・柳田悠岐外野手(35)は、先月31日の広島との交流戦(みずほペイペイ)で「右半腱様筋損傷」の重傷を負い、全治4か月と診断された。ただ、今季絶望の見立てもある中、1日でも早い一軍復活へ早くも燃えている。

「これはお前が頑張ったからじゃけえ」

柳田がそうメッセージを送った相手は、負傷した自身の代役として急きょ支配下再登録され、一軍昇格を果たした佐藤直樹外野手(25)だ。

2019年のドラフト1位指名で入団した佐藤直は、紆余曲折あって昨年オフに育成選手として再スタートを切っていた。打撃面に課題があったとはいえ、俊足堅守の「ドラ1」の野球人生が年々先細っていく背景には、それ相応の理由があったはずだ。

今年1月、柳田の自主トレに志願参加した佐藤直はこう明かしていた。

「まず『人として』というところで変わりたかった。変わらなければ、自分の野球人生が終わってしまうと思ったんです。柳田さんの周りには人が集まる。そして、みんなが幸せそうな顔をしている。もちろん技術も大事ですけど、自分に足りないものが何なのか…気づけるんじゃないかって思ったんです」

同じ空間で練習、生活する意図は明確だった。カッコつけない、偉ぶらない、手柄を主張しない、人のせいにしない、人の悪口を言わない。柳田の生きざまを目の当たりにした1か月は貴重だった。

自己改革に取り組んだ佐藤直は、二軍で打率3割4分の好成績をマークした。育成選手が支配下登録される基本条件は「一軍戦力」。柳田の有事で巡ってきた昇格機会に、ポールポジションで準備していたからこそ指名された。

柳田はかつて「野球選手に一番大事なものは運だと思います。それ以外にあったら教えてください」と語っていた。その上で「力があっても調子の良い時にチャンスが来るとは限らない。そうそう巡って来ないし、来ないことの方が多いんじゃないですかね。もし来たら、しっかりつかめるか」とも達観していた。

一軍昇格を報告してきた〝弟子〟に対し、全治4か月の大ケガを負いながら打ったメッセージ。「これはお前が頑張ったからじゃけえ」。チャンスをつかんだ門下生の半年間の変貌と頑張りを率直にたたえた。

「また、戻ったら一緒にプレーしよう」と続いた言葉には、一軍定着の勝負が待ち受ける佐藤直への温かいエールとともに、完全復活への誓いが込められていた。

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