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【ソフトバンク】打率1割台でも…中村晃にしかできない役割「強いチームでレギュラーが取りたい」

東スポWEB 2024年6月12日 6時4分

パ・リーグ首位のソフトバンクは11日のヤクルト戦(みずほペイペイ)に4―2の逆転勝ちを収め、貯金を今季最多タイの「21」とした。2位・ロッテとのゲーム差は8に拡大。得意の交流戦は9勝4敗の2位につけ、12球団ダントツ9度目の制覇に向けて好位置をキープしている。

プロ17年目のベテラン・中村晃外野手(34)が値千金の決勝打を放ち、チームを5カード連続の先勝に導いた。2点差を追いついた7回、なおも一死二、三塁の好機で打席に入ると、左腕・山本の直球を中前へ弾き返す2点適時打。「何とか点が入るように気持ちでいった」。上位打線の4連打で同点、前を打つ柳町が1球で犠打を決めて巡ってきたチャンスを7番打者がモノにした。

開幕から出番が約束された立場ではなかった。山川、ウォーカーの加入で代打の切り札としてスタート。「監督にとってうれしい悩みを増やせればいい」。一方で偽らざる思いをこうも打ち明けていた。

「控えに甘んじようと考えたことはない。開幕から最後までスタメンで出るってことを目標にもちろんやっている。自分という野球選手がどういうふうにここまで来たかというのを考えて、それを示したい」

代打と先発を不定期に繰り返し、ここまでの打率は1割9分3厘。チーム内では「状態や自分本来の打撃をキープするのは難しい。あの役割、起用は中村晃だからこそ担える」と、成績を額面通り受け止める者はほぼ皆無だった。この日の試合後には「彼の良さは言い訳しない。人のせいにしない。環境のせいにしない」とたたえた小久保監督。中村晃の真骨頂とも言うべき働きがあって、チームは開幕から首位を快走している。

今も燃えたぎる思いを内に秘めて戦っている。「僕はやっぱり強いチームでレギュラーが取りたい」。言葉より背中で見せるものがある。それを担ってきた精神的支柱・柳田が故障で長期離脱。「若い選手も見ていますから。自分がこうはなりたくないと思う姿だけは、チームに見せたくない」。使命感はより強くなっているはずだ。

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