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【名古屋場所】大の里〝連覇〟の可能性を占う 秀ノ山親方は「どこまで伸びていくか楽しみ」

東スポWEB 2024年7月2日 6時9分

快進撃は続くのか。大相撲名古屋場所は、14日に愛知県体育館で初日を迎える。今場所の主役は、新関脇大の里(24=二所ノ関)だ。5月の夏場所は新小結で史上最速優勝を達成し、大関候補に名乗りを上げた。連覇を達成すれば、三役2場所で大関に昇進する可能性もある。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)による連載「がぶりトーク」では、大の里の〝優勝の目〟を占った。

【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者のみなさん、こんにちは! 名古屋場所では、何と言っても大の里に注目です。5月の夏場所は持ち前の馬力を生かした相撲で、見事に初優勝。初日に横綱照ノ富士を破り、その後に2大関を倒しました。自分より格上の相手でも、全く〝名前負け〟しなくなりましたよね。新入幕から場所ごとに自信をつけて、それが顔つきにも表れていた印象です。

優勝しただけでも十分にすごいことなのに、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)はこう言っていました。大の里に指導しているのは立ち合いの踏み込みとか馬力を生かすことだけで、それ以外の細かいことは教えていないと…。本当に末恐ろしい(笑い)。それって、まだまだ伸びしろがあるということだから。どこまで伸びていくのかが楽しみです。

大の里の成績が安定している理由は、馬力に加えて右四つの形を持っていること。右さえ差せれば、どんな体勢でも相撲を取ることができる。先に大関に上がった豊昇龍や霧島と比べてみても、大の里には明確な形がある。それは横綱や大関を目指していく上でも、大きな強みになる。逆に自分の形がないと、立ち合いが中途半端になったり、相撲に迷いが生じたりするんですよ。

今場所は、優勝力士として臨む立場。8人の力士が中村部屋へ転籍するなど、大きな環境の変化もありました。だからと言って、やるべきことは変わらない。大の里は夏場所前に佐渡ヶ嶽部屋で出稽古をしました。それまで勝てなかった琴桜と肌を合わせて、夏場所での初白星につなげた。聞くところでは、自分から師匠に「出稽古に行きたい」と直談判をしたそうですね。

そういう貪欲な姿勢で、今回もどんどん出稽古をすればいい。自信を持って本番を迎えるためにも、合口が悪い豊昇龍、先場所で負けている高安や平戸海らと稽古をして、悪いイメージを払拭しておくこと。現状維持のための稽古ではなく、上を目指すための稽古をしていけば、連覇の可能性も十分にあると思います。

一方で、大の里を迎え撃つ立場の横綱大関陣にとっては、真価が問われる場所になる。この2場所は新入幕の尊富士、幕内2場所目の大の里に優勝を許す格好になった。これ以上、ふがいない姿を見せるわけにはいきません。大きな見どころは、やはり大の里との直接対決。私も現役時代、遠藤や逸ノ城が番付を駆け上がってきた時には意地でも負けられない気持ちで勝負に臨んでいました。

大関復帰を目指す霧島を含めて、看板を背負っている力士たちは「今場所は絶対に勝つ」という強い思いがあるはず。名古屋場所では、大の里と他の上位陣との気迫のぶつかり合いに期待したいですね。それではまた!(随時掲載)

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