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【都知事選】枠外ポスター問題が「選挙無効」訴訟に拡大か 将軍未満氏は損害賠償請求、河合悠祐氏は集団訴訟を予告

東スポWEB 2024年7月2日 6時11分

都知事選無効訴訟に拡大か――。東京都知事選(7日投開票)でポスターを掲示できない問題が法廷で争われることになった。同選に立候補した政治団体「ネオ幕府アキノリ党」代表のアキノリ将軍未満氏が1日、都庁で会見し、掲示板枠内にポスターを掲示できないことで、都に損害賠償請求および必要な行政措置の義務付けを求める訴訟を提起すると表明した。さらに都知事選の無効を求めての集団訴訟に発展する可能性が出てきた。

都知事選では過去最多となる56人が立候補した。都選挙管理委員会は48人分の枠しか用意しておらず、49~56番目の候補者にはクリアファイルと画びょうなどで、枠の下部や左右に掲示するように促していた。

将軍未満氏は「われわれは物理的に存在しない枠を選挙ポスターの貼り付け枠として割り当てられ、クリアファイルとビニール袋をいただいた」と振り返り、さらに「この処置を知ったのは告示日当日でした。枠がないのを先にお伝えいただければ、何かしらの対策は取れた」と事前には知らされていなかったことを問題視する。

同氏は都知事選を売名の場と公言しており、「ポスター掲示板は唯一の表現の場所で、立候補した人数に合わせて、貼り付けるということが必要」と枠内に貼れない事態は周知の点からも致命的だという。さらに500枚近くのポスターを掲示してきたが、クリアファイルに挟む作業などで、一枚を貼る手間は通常よりも5~10倍かかっているうえ、雨風にさらされ、まともに見られない状況にもなっている。

「選管の対応が行き届かなかった点を過剰に攻め立てるつもりは毛頭ないが、官公庁のリソースを削減してきた昨今の政治的風潮に根本的な原因がある。これを機に公務員の方々を一方的に攻撃的に非難し、必要な予算の編成と執行を怠ってきた緊縮的な国家運営全体および容認してきた有権者に問い直すべきと日本社会全体に広く問題提起したい」と損害賠償額はあえて1円として、この不公平な状況が合法なのか違法なのかを問いたいという。

訴訟提起も穏便に事を進めたいとした将軍未満氏に対し、同団体の上梨裕奨幹事長は「2~3年前から将軍未満はどうしても立候補したいと頑張ってきた。みんなの力で150万円を集めて、あと150万円は将軍未満が個人的に借金した。それでも今のこの日本に訴えていきたいことがあると思ったから。平等な機会が与えられると信じていたのになんですか。半透明のファイルを渡され、意味が分からない。さすがに無効なんじゃないかなと思いたいくらい」と怒りをにじませた。

枠外ポスター問題の根深さは、対応の準備をしていたところもあったことだ。世田谷区の保坂展人区長は「(区として)枠を増やせる準備はしたが、(都選管からは)最後まで方針は示されなかった。公平な選挙とは言えない。事前に枠が足りなくなるのは誰もが想定できた」と苦言を呈している。

告示日に56人が一斉に朝一で、届け出ていた場合は、小池百合子都知事や蓮舫氏が抽選の結果、枠外になる事態もあった。将軍未満氏は「蓮舫さんや小池さんがはみ出していたら、都はもう徹夜でもして、掲示板を増設したんじゃないか」と指摘する。結局、枠外の8人は大手メディアで扱われる主要と言われる候補者ではないことで、おざなりな対応になった感は否めない。

ポスターを巡っては、同じく枠外候補者の小林弘氏も300万円の供託金返還や選挙費用などを請求する訴訟提起の考えを明かしている。

また48人の枠に入ってポスターを掲示できていた「ジョーカー議員と投票率を上げる会」代表の河合悠祐氏は「もし掲示板を公平に使っていたら選挙の結果は変わる可能性がある。今回の選挙はどんな結果が出ても不公平として、無効にすべき。われわれは全員で選挙無効の訴えを提起すべきだと考えている」と枠外に漏れた候補者が出た以上、全体の問題として、選挙後に集団訴訟を起こすアクションを予告した。将軍未満氏も候補者同士の共闘を呼びかけており、大きなうねりになるのか――。

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