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「クワイエット・プレイス:DAY1」ホラー映画の新たな可能性を見せつけた作品

東スポWEB 2024年7月2日 14時15分

【有村昆のニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。7日投開票の東京都知事選が佳境を迎えていますね。前広島県安芸高田市長の石丸伸二候補は、ユーチューブのライブ配信を駆使。新たな戦い方で選挙戦に挑んでおり、前職時代からのSNS戦略で大きく注目を集めていますね。2022年の参院選に立候補した東谷義和(ガーシー)氏もUAE(アラブ首長国連邦)のドバイにいながらSNSを駆使して当選しました。街頭演説だけではない、新たな戦い方で今後選挙のあり方も変わってくるのかもしれません。

そこで今回は、新たな見せ方でホラー映画の秘める可能性を見せつけた一作、6月28日日米同時公開の映画「クワイエット・プレイス:DAY1」を紹介します。

音に反応して人間を襲う“何か”が現れたことによって、人類滅亡の危機に直面した世界を描く人気シリーズ。今作は前2作の前日譚で、大都会ニューヨーク・マンハッタンを舞台に“何か”が世界に現れた当日の様子を描きます。

僕が最初に引かれたのが舞台設定です。ニューヨークは言わずと知れた世界一の都市。大きく騒々しい音が街のあちこちで常に聞こえているんですよね。クラクションの音だったり工事現場の音だったり。そんな世界に住む人たちを主体に据えることで、沈黙とは一体何なのかというところを掘り下げているんです。

特に素晴らしかったのが主人公の飼い猫を使った演出です。猫ってそんなに鳴かず、音を立てないじゃないですか。だから、突如現れた“何か”に音を立てた人間が襲われているなか、のんきにネズミをとったり“何か”の前を歩いたりしているんですよ。かわいい生き物を使って怖い状況を描くという緩急の付け方に感心させられました。

「クワイエット・プレイス」は、音を立てることができないという枷(かせ)をかけることで、新たな視点のホラーを作り出した作品です。怖さのみがテーマとなるホラー映画は、新しい枷をかける試行錯誤を繰り返してきました。例えば「カメラを止めるな!」はホラー映画にワンカット長回しでカメラを止めないという新たな手法の枷をかけたものです。つまり、「クワイエット・プレイス」はその最新アップデート版と言えるのです。

選挙戦の新たな戦い方が見いだされつつあるように、東京をさらにアップデートするためのアイデアというのも、実はまだまだあるんじゃないでしょうか。新しい可能性を模索する大切さを感じる一作です。ぜひご覧ください。

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