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大谷翔平に「30歳の壁」あるか 盟友トラウトら4人が〝三十路あるある〟を証言

東スポWEB 2024年7月10日 11時21分

ドジャースの大谷翔平投手(30)が順風満帆なシーズンを送っている。昨年9月に右ヒジを手術した影響で今季は投打二刀流を封印して打者に専念。DHとして守備の負担もなく、ナ・リーグ単独トップとなる28本塁打をマークするなど快調だ。そんな日本の至宝も5日(日本時間6日)に30歳の節目を迎えた。ドジャースの同僚や現役メジャーリーガーたちは「三十路」をどう捉えているのか。どうしても逆らえない衰えとは裏腹に、大谷は記録を塗り替え続ける“黄金ロード”を突き進む可能性もありそうだ。

大谷は8日(同9日)までに88試合に出場して28発、OPS1・036はリーグ1位。打率3割1分4厘も同2位で65打点も同3位と軒並みトップクラスの打撃成績を収めている。

DH専念で「7億ドルの男」の名に恥じぬ快進撃を続けているが、生物である以上、誰にも止められないのが「加齢」だ。日本ハムに在籍したNPBで5年、海を渡ったメジャーでは今季7年目。規格外の能力で高校時代から常に脚光を浴びてきた大谷もついに30歳を迎えた。現役メジャーリーガーたちは20代と30代の違いをどう受け止めているのか。

昨年までメジャー最強コンビ「トラウタニ」を結成していたエンゼルスのマイク・トラウト外野手(32)はこう振り返る。「30歳は一つの数字に過ぎないけど、体の感じ方はだいぶ違う。若い時、多くの人に『30歳を過ぎたら体への負担、痛みを感じるようになるから、もっとケアをしなければならない』と言われたけど、その通りだった。20代前半は、毎日野球をしてもなんともなかったけど、20代後半くらいからより真面目にケアするようにして、30代はそれを毎日確実にやる必要がある」

プラス材料に挙げたのは家族。「妻とかわいい2人のボーイズが僕にとってはありがたいこと」

大谷と同僚のベテラン救援右腕、ダニエル・ハドソン投手(37)は「自分にとってはリカバリーに時間がかかることが大きな変化かな。29歳から30歳になって劇的に変わるわけではないけど、自分の体の調子をより注意するようになった。年を取るにつれ、フィールド外での準備メニューを増やしたり、リカバリーに時間をかけるようになった」と明かす。

また、マリナーズからヤンキースにトレードされた2019年がちょうど30歳だった先発左腕のジェームズ・パクストン投手(35)も“変化”を感じたという。

「(ヤンキースで)初めてプレーオフに出る機会をもらえて良かったんだけど、その後3年くらいケガに悩まされた。成長という意味では、自分をより知るようになったのが30代。以前より賢くなったかな」

長年、肉体を酷使するアスリートにとってやはり故障のリスクは高まるようだ。だが、意外にもネガティブなことばかりでもないようだ。メジャー通算204本塁打のクリスチャン・イエリチ外野手(32=ブルワーズ)は「普通かな」とズバリ。「体のケアを少し入念にするくらい」とは言いながらも「自分自身は20代の時と同じ感覚。特に野球界では『30代になったら分かるよ』『30歳になったら変わるよ』というから警戒していたけど、ケアをしっかりすれば大丈夫。みんなから聞いていたほど悪くないかな」と言い切った。

それどころか、キャリアを重ねることによって精神面はますます成熟するといい「自分が置かれている状況や、長いシーズンを過ごすためにスプリングトレーニングでどう過ごすか。メンタル面でロックオンするにはどうすればいいかなど、心構えは自然にできているかもしれない」と打ち明けた。

大谷は29歳最後の試合から30歳最初の試合にかけて自己ワーストの6打席連続三振を喫した。だが、驚異的な修正力で次の試合では28号を含む5打席すべてで出塁した。あらゆる“球界の常識”をぶち壊してきた大谷。プレーヤーの多くが直面する「三十路の壁」をいとも簡単に乗り越え、“記録ラッシュ”の道を歩むかもしれない。

【イチロー、松井秀喜、黒田博樹は…】
メジャーで活躍した日本選手は30代でキャリアハイをマークしている。イチローがメジャーシーズン記録の262安打したのは31歳のシーズンで、以降37歳シーズンまで連続200安打している。34歳シーズンが打率3割5分1厘、36歳シーズンで打率3割5分2厘を記録した。

松井秀喜がMLBで自己最多の31本塁打を放ったのは30歳を迎えた年、116打点を記録したのは31歳になった年だ。33歳シーズンで103打点、35歳の時に28本塁打している。

黒田博樹が米国で自己最多の16勝を挙げたのは37歳シーズン、投球回219回2/3も最多だ。以降11勝、11勝と2桁勝利を続け、40歳で広島に復帰。引退までの2年間で11勝、10勝と白星を重ねた。この3人には「三十路の壁」はなかった。

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