落語家の東生亭世楽(53)と立川キウイ(57)が12日、東京・池袋のminaikeZaで「キウイ・世楽二人会」を開催。落語家転身を表明したガーシー(東谷義和=52)に言及した。
ガーシーは6月4日に行ったトークイベントで落語家転身を表明。あわせて高座名「東笑亭(とうしょうてい)ガーシー」として活動する方針を打ち出したが、異例の挑戦に落語ファンの間では「落語をなめるな」「そんなに甘くない」「落語が広まる意味ではいいのでは」など賛否が分かれた。
なかでも不快感をあらわにしていたのが「とうしょうてい」という同音で活動している東生亭世楽。「落語をしゃべるのはお好きにどうぞ。だけど『東笑亭』って『名乗る』のが伝統社会としてもアタシ個人としても迷惑なんだ」などと苦言をていした。
この日、先に高座に上がったキウイは、同じ時間帯に三遊亭はらしょうとガーシーが落語イベントを東京・練馬で開催していることに触れ、「今日の二人会は、(ガーシーに)怒り心頭の『世楽を練馬に行かせない会』なんです」と説明して笑いを誘った。
師匠・立川談志のもとで16年半も前座を務め、3度破門されたことがある苦労人キウイはトークショーで、師匠に弟子入りして修行を積んだプロの落語家とアマチュアの落語家の違いについて説明。
「勝手に落語家を名乗ってアゴアシ(=食費と交通費)20万円もらっている人がフツーにいる。落語をやるのは自由だが、僕らからしたら、やっていること(師匠に入門せず落語家を名乗る行為)は筋違いということはわかってほしいですね。世楽によって由緒ある『東生亭』の意味と価値を守られている」と援護した。
世楽は「16年も前座をやったリビングレジェンドのキウイ兄さんでさえこう言うんです」と先輩をイジりつつ、見習い→前座→二つ目→真打という落語界の身分制度をていねいに解説。着物のたたみ方ひとつにしても流派によって細かな違いがあるという。
キウイが「世楽が(ガーシー)を弟子にすればいい。そして1年でクビにしたらいい!」と爆弾オファーで笑い飛ばす場面もあったが、世楽の目は真剣そのもの。「ガーシーに『東笑亭』を与えたのは島田紳助氏。(落語の)プロだったら言うワケがない」とし、「(名前を)つけてもらっているから今さら変えられない」状況になっていると指摘した。
これにキウイも「結局、俺が有名にしてやったとかガーシーさんが落語界を愛してないってことが露呈してるのが大きいわけですよね。落語愛があるなら筋を通すべき」と大きくうなずいた。
山積した話が終わらない2人はファンを引き連れて池袋の居酒屋へと消えていった。