東京都知事選に出馬し2位となった石丸伸二氏を巡って、場外乱闘が起きている。3期目の当選を果たした小池百合子都知事は12日に選挙後初の定例会見に出席。「小池都政を終わらせてほしかった」と話した神戸市長に反論した。
久元喜造・神戸市長は11日の会見で都知事選について「東京さえよければいいという、地方の衰退に結びつく施策を展開している小池都政を終わらせてほしかった」と発言。東京都が豊富な財源を使って子育て支援などをやればやるほど、地方から東京へ人が移動してしまうことを懸念した。
さらに、石丸氏について「(東京の)一極集中の是正というのは非常に共感」と前向きな評価をした。久元氏は旧自治省出身で、地方行政に詳しい。指定都市市長会長を務めている。それだけに東京にモノと人が集中する現状に思うところがあるのだろう。
久元氏の発言について問われた小池氏は「神戸の市長というより旧自治省のお言葉だと思う」と指摘。続けて「縮み思考でパイの切り分け議論ばかりすると国が縮む。地方がそれぞれの財源、権限を含めて本当の意味の地方自治を繰り広げていくことを確保することが必要」と、パイの切り分けという発想から転換すべきと話した。
石丸氏をきっかけに都知事と神戸市長の間でちょっとしたバトルになったわけだが、石丸氏の存在により東京vs地方の戦いがより加速していくかもしれない。ある都議は「石丸氏は東京の弱体化に言及しており、東京の政治家は賛同できないはずだ」と話す一方で、東京一極集中に不満を抱く地方の政治家は多い。
石丸新党があるとしたら地方から参加の声が上がりそうだ。