ボートレース尼崎の「ダイスポカップ争奪~まくってちょ~うだい」が14日に開幕する。すっかり当地の名物企画となった〝まくり特化シリーズ〟。注目は菅章哉(36=徳島)だ。大会を前に「まくり」への思いを激白した。
――今節のシリーズタイトルはズバリ「まくってちょ~うだい」。まくって1着なら賞品もゲットできる
菅 実は「まくり賞」、僕はまだもらったことがないんですよ。だから今回はもらいたい。それにファンの人も同じ賞品がもらえるんですよね? タイトルが「まくってちょ~うだい」なんで、勝ち負け以上にまくりにこだわってやってみようかなと思います。
――当然、チルト3度も使用する
菅 5、6号艇の時は3度で行くことが多いので、使用しますかね。
――尼崎は2022年9月に6コースからまくりで初優出初V。いいイメージでは
菅 まだあまりいい印象が持てていないですね。優勝したあの節だけ伸びていました。でも、その後に2回走ったんですが、やっぱりあまり得意にはなれなくて…。今回でいい印象を持って帰りたいですね。
――今年はここまで7優出3V。いずれも逃げて優勝
菅 外から優勝できてないというのは少しモヤモヤしている。そろそろ外からも優勝したいですね。
――昨年9月のからつ70周年の優勝戦でのフライングで来年1月までGⅠ、GⅡは選出除外
菅 気持ちの面では最近になって少しずつ前を向けてきたかな。ただ家計が…。
――収入ダウンは深刻
菅 やっぱりGⅠとかの方が賞金もいいので…。それに出られないとなると保険解約に追い込まれたり、借金しなくちゃ税金払えないという場合もあるとか、自転車操業になるんですよね…。この点は、しっかり全部書いてくださいね。
――優勝回数を重ねれば来年3月の若松SGクラシックに出場できる
菅 今はもう、そこだけが目標。優勝回数を重ねてクラシックに行く。それにA1級をキープして来年もオールスターに行く。
――今年の多摩川オールスターにも出場。3年連続3回目
菅 本当にあの顔ぶれの中で選んでいただいて…。何もタイトルを持ってないのは僕か定松勇樹君かくらいと思ったんですが、定松君は取っちゃったんでね。僕だけノータイトル。でも、記録より記憶、ということですよ。そういう人が1人くらい混じっていてもね。
――3日目9Rで6コースからまくって1着も事故レースに…。勝利者インタビューでは涙も
菅 あの時は本当に苦しくて。その前からずっと6着が続いていて、久々の1着があんな形で…。舟券を買い続けてくれるお客さんのありがたみとか、いろいろ考えていると情緒不安定になっちゃって…。
――4日目7Rは文句なしのまくり勝ち
菅 4日目1Rでチルトを下げたら、西山貴浩さんから『ファンが待っているのに、何してるんだ!』と怒られたんです。すぐに3度に戻して結果につながった。そう言ってくれる先輩がいたり、自分は周りに支えられているんだなというのを再認識しました。
――あの〝まくり〟の裏にはそんなドラマが
菅 もうあきらめていたんですよ。チルト3度はもう無理なのかなと…。でも、あのレースくらいから気持ちも前を向きだしたのかなと思っている。しっかり注意してくれる先輩や、どれだけダメになっても応援してくれている人がいるというのが支えになっている。
――あくまでもチルト3度の伸びスタイルを貫く
菅 3度ってムダじゃないか? という声もある。1・5度とかでも十分に伸びる時があるのに3度にするということは、確かにリスクだけ増やすという部分もある。でも僕は、このリスクを取った上で勝ちたい。3度で勝った方が盛り上がるじゃないですか。わがままかもしれないけど、一番扱いづらい乗り物で、一番不利なコースから勝ったら気持ちいいですもんね!