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【なでしこ】大塚慶輔フィジカルコーチが語る進化の手応えと有利な過密日程

東スポWEB 2024年7月16日 6時13分

世界一奪還なるか――。なでしこジャパンは、金メダルを目指してパリ五輪に臨む。2011年ドイツ女子W杯を制した一方で、五輪では12年ロンドン五輪の銀メダルが最高成績となっている。昨年のW杯でベスト8入りし、復活の兆しを見せたなでしこに期待が集まる中、大塚慶輔フィジカルコーチ(47)を直撃。進化の手応えや日本人選手ならではの勝機などを語り尽くした。

――パリ五輪目前だ

大塚コーチ(以下、大塚)去年のW杯よりいい状態です。W杯を戦って十分に戦えるということは感じたし、選手自身も感じたと思う。この1年間で足りないピースをしっかり埋めて五輪を迎えることができる。すごく楽しみです。

――足りないピースとは

大塚 課題はパワー発揮の部分。コンタクトも、瞬間的にボールを奪う時もそうです。世界のトップを取るためには持っている力の幅を広げなければならない。代表期間以外でも所属クラブと連絡を取って「こういうトレーニングを継続してほしい」と伝えたりした。あくまでクラブが主導だけど、アイデアは持っていくようにした。実際、熊谷(紗希=ローマ)らは1年間与えたトレーニングを継続してくれた。

――東京五輪より海外組が増えたメリット

大塚 普段から外国人選手と戦い慣れている方がイメージがしやすい。そういう意味では大きなアドバンテージになると思いますね。

――1次リーグはスペイン、ブラジル、ナイジェリアと同組

大塚 またスペイン、ブラジルかと。昨年のW杯王者(スペイン)といっても僕らに負けている。だから(日本に対して)すごい苦手意識があると思う。選手もスペインに対して苦手意識はないだろうし、お互いに身長が高くない中で戦うので、組み合わせとしてはやりやすい。

――中2日は厳しい日程

大塚 過密日程は日本にとって有利だと思います。海外の選手に比べて筋肉はやっぱり少なく、体も小さい。日本は細かいテクニックや持久力で戦う。フィジカル中心の海外は中2日で筋回復するのは難しいが、日本は糖質エネルギーをしっかり確保できたらトップパフォーマンスを維持できるのではないかと思っています。

――フィジカルコーチとしてのサポート

大塚 メディカルスタッフとも連携して、食事は何を取るか、どういう順番で取るか。抗酸化作用で回復するためにはブルーベリーとか。アイスバスに入るのは何度で何分とか、細かくプログラムをつくっている。睡眠時間を確保するために練習時間なども(池田太)監督と話し合っています。

――最後にパリ五輪への意気込みを

大塚 去年のW杯で悔しい思いをしたから、その雪辱をという気持ちは全員が持っている。監督を含めて金メダルを目標にしている。自分自身も楽しみたいですし、何より選手が最高のパフォーマンスで躍動してほしい。最善の準備をして臨みたいです。

☆おおつか・けいすけ 1977年6月2日生まれ。北海道出身。フィジカルコーチとしてJリーグの町田、大宮などで指導。21年になでしこジャパンのフィジカルコーチに就任。株式会社「ライフパフォーマンス」のCEOとしてはトップアスリートへの豊富な指導経験を生かした一般向けの指導を行い、企業に対して従業員の健康をサポートする「コンディションセミナー」を開講している。

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