東京都知事選で２位になった前広島・安芸高田市長の石丸伸二氏（４１）はテレビに引っ張りだこで、その発言が賛否を呼んでいる。これに対し、都知事選で石丸氏の選対事務局長を務めた「選挙の神様」こと藤川晋之助氏がアドバイスを送った。
都知事選後に石丸氏は「グッド！モーニング」（テレビ朝日系）、「オールナイトフジコ」（フジテレビ系）、「サンデー・ジャポン」（ＴＢＳ系）などに出演。日には大阪・読売テレビ制作の「そこまで言って委員会ＮＰ」で、前兵庫・明石市長で弁護士の泉房穂氏ら論客陣と討論した。そこでは人口減少対策の究極的な解決策の一つとして「一夫多妻制」を挙げた。「今はどう考えたってムリ。それをやろうとは思っていない」と断言したが、一夫多妻制というワードが独り歩きし、ネット上は炎上した。
藤川氏は「彼なりのやり方が、大阪の言いたい放題言われる番組では、なかなか通用しないという経験をしたことも、いいことだなと思いながら見てました」と話した。
都知事選の開票特番では、社会学者の古市憲寿氏とのかみ合わないやり取りが「石丸構文」とネットで話題となった。「グッド！モーニング」での「女、子供」発言も、本人は「論理の飛躍」と一刀両断したが、一部から批判を浴びた。藤川氏は、アンチを増やしかねない石丸氏の刺激的な言動に対し「選挙が終わったんだから、必要ないと思う」と助言した。
藤川氏が近くで見た石丸氏の素顔はどういうものなのか。「ほとんど誤解ばっかり。これがＳＮＳの良さでもあり、怖さでもある。（三菱ＵＦＪ）銀行時代の同僚に聞いたら好青年でいい男だと。政治的にやってる姿が信じられないと言ってるぐらい」。
石丸氏の人柄を評価したからこそ、都知事選はボランティアで選対事務局長を務めた。藤川氏同様に、陣営には５５００人のボランティアが集結した。
「集まっている人がいい人ばかりでね。こんなに質の高いボランティアが集まるのは、選挙のプロとしてやってきた人間としては感激だった。自分が損得でやってるのも嫌だなと思って。『ボランティアでいいよ。その代わり勝ちに行こうぜ！』」と言葉を交わし、１６５万票を集めた。
それだけに「変なエネルギーを使って無駄な悪口を言われるのは、もったいないことだなと思う」ともらした。
石丸新党の臆測が流れるなどしているが、石丸氏は今後については明言していない。「本当の意味で日本にとって、特に東京にとって何をなすべきなのか。真正面から論じて、都知事を目指して再起してほしい。１６５万の人たちが期待して、入れてくれたわけですから。それにふさわしく、もう一段バージョンアップして、政治に立ち向かってほしいと老婆心ながら思っていますね」と期待を寄せた。