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【名古屋場所】朝乃山が左ヒザ負傷で休場 元琴奨菊が危惧した「急仕上げ」

東スポWEB 2024年7月18日 5時34分

元大関は復活できるのか。大相撲名古屋場所4日目(17日、愛知県体育館)、大関経験者の幕内朝乃山(30=高砂)が幕内一山本(30=放駒)に押し倒されて初黒星。この取組で左ヒザを負傷し、5日目から休場する見通しとなった。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)は朝乃山のアクシデントの要因を指摘した上で、試練を乗り越えて土俵に戻ってくることを切に願った。

朝乃山は一山本に押し込まれて後退すると、土俵際で左ヒザから崩れ落ちた。自力で立ち上がることができず、車いすに乗せられて館内の医務室へ直行。名古屋市消防局のハイパーレスキュー隊が出動し、特殊車両で病院へ搬送された。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「(出場は)難しいと思う。まだ歩けない。しっかり治すこと」と今後の見通しを語った。

朝乃山は春巡業で右ヒザを負傷した影響で、5月の夏場所を全休。十分な稽古を積めず、急仕上げで今場所を迎えた。右ヒザの周囲にテーピングを施して出場し、初日から3連勝。好スタートを切った矢先、今度は左ヒザを痛めてしまった。千秋楽まで休めば、十両への転落は確実。秀ノ山親方は「かなりの大ケガだと思う。ヒザの状態が心配」と故障の長期化を懸念した。

その一方で、この日の相撲内容を分析。「朝乃山は、一山本の突きを下からはね上げて組み止める流れを想定していたと思う。不安を抱える右足で地面を踏み切れず、上体が反りすぎて左足に全体重がのしかかる形になった。相撲勘を含めて、場所前に稽古が積めなかった影響が出てしまったのかもしれない」と指摘した。

また、稽古と実戦の違いついても言及。「感覚的には、稽古場と本場所の一番では一瞬で発揮される出力が5倍、10倍ぐらい違う。稽古場で良いイメージが持てていたとしても、体調に不安を抱えていると本場所では気持ちに体がついてこないことがある。それがケガにつながる」とアクシデントの発生につながる要因を挙げた。

その上で、秀ノ山親方は「ヒザは自分の全体重を支えるだけでなく、相手の圧力を受け止めたり、逃がしたりする上でも大事な箇所。ごまかしがきかないところなので、中途半端な状態で出ない方がいい。照ノ富士や若隆景もヒザのケガで番付を大きく下げてから、体をつくり直して復活した。朝乃山もしっかり治して、元気な姿で土俵に戻ってきてほしい」。まずは治療への専念を勧めるとともに、試練を乗り越えて復活することを切望した。

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