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田中恒成V1戦中止 ニックネーム〝巨人〟の挑戦者が2・9キロ超過の巨大化

東スポWEB 2024年7月19日 19時10分

前代未聞の計量失敗だ。ボクシング3大世界戦と那須川天心デビュー4戦目(20日、両国国技館)の前日計量が19日、都内で行われた。

WBO世界スーパーフライ級(上限体重52・1キロ)タイトルマッチは、王者の田中恒成(29=畑中)は52・1キロでパスしたものの、挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)は55・0キロと大幅に超過し、試合は中止となった。国内の世界タイトルマッチが体重超過によって中止となったのは史上初。

ロドリゲスの55キロは2階級上のスーパーバンタム級に相当する体重。2時間以内の再計量が認められているが、減量を試みたロドリゲスがけいれんを起こしたことで体重計に乗ることはなく、両陣営が協議した上で中止が決まった。

ロドリゲス陣営によると、14日に来日してからの経過は「完璧だった」が、17日のジムワーク中に胃と足にけいれんを起こしたという。息もできない状態で練習を中止。抱きかかえてホテルに連れて帰ったが、部屋で再びけいれんが起き、それを見かねてスポーツドリングを与えたために体重が増えてしまったと説明。その後はまったく汗が出なかったといい、「みなさまに、大変恥なご報告をすることを申し訳ないと思います。恥と思っています」と謝罪した。

田中は計量後、「2階級上に関しては、もともとパワーもある選手なので、警戒というか怖さというのか、そこはちょっとある」と話しながらも、「明日は髪も染めて、暴れたいです」と闘志を燃やしていた。だが、結末はやりきれないものとなった。

中止決定後に取材に応じた畑中ジムの畑中清詞会長は険しい表情で、「ウチも2階級上とやらせることはできない。そういった例を作っちゃうのも悪いことだと思う」と強調。「1週間前に来て(約)3キロオーバーは考えられない。恒成も(調整中に)40度以上の熱で1週間から10日(動けなかった)。だけど、決まっている以上やるのがプロフェッショナル」と怒り交じりに語った。今後については白紙という。

ロドリゲスのニックネームは巨人を意味するティタン。だが、ルールを超えた巨体で試合ができなくなってしまっては元も子もない。

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