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ガチタンバリン奏者大石竜輔氏にガチインタビュー「今は見た目で誤解されることも少なくなった」

東スポWEB 2024年7月20日 10時45分

【銀の盾に聞いてみた】黒Tシャツに長髪の男性が、一心不乱にタンバリンを演奏する動画を見たことはあるだろうか。ユーチューブチャンネル「ガチタンバリン奏者大石竜輔」だ。テクニックを詰め込んだ演奏で話題となり、チャンネル登録者は19万人超。そこで演奏家の大石氏に、アラブタンバリン(レク)と出会った経緯や、楽器とともに描く夢について語ってもらった。

――もともとはドラマーを目指していたと聞いた

大石竜輔氏(以下、大石) 小3の時にドラムセットを始めて、高校卒業後はドラムの専門学校で学んでいました。ただその後入ったとあるバンドで活動も人間活動もうまくいかず…。さらにヘルニアで立つこともままならなくなり、一度実家に戻りました。

――なぜそこからアラブタンバリン(レク)に?

大石 インドのタンバリン(カンジーラ)奏者を特集した雑誌や、レク奏者のレブ・エルマンさんの動画を見て、世界各地のタンバリンに興味があったんです。腰を痛めたタイミングで、憧れの楽器を始めてみようと決心しました。

――実家ではレク漬けの生活だった?

大石 一日中レクのことを考えるくらい、熱中していた時期はありましたね。その頃は毎日夢に楽器が出てきました。

――動画では多様なテクニックを披露

大石 レクでは3つの持ち方を使い分けていますし、指の瞬発力をかなり使って叩いているので、初めて触る方は音が鳴らないことも多いです。手首を使ってゆっくり振るテクニックも、軸をぶらさないように保つのが大変で。正しく鳴らすまでが長い楽器ではあります。

――レクは何台持っている?

大石 全部では20~30台ですかね。レコーディングの時は幅広く対応できるように何台か持ち込んでいます。実際に演奏しないとイメージをつかんでもらえないこともありますから。

――友人や家族からはどのような反応が?

大石 友人からは「タンバリンが本当にやりたいことなの?」みたいに言われることもあって、理解してもらうまでに10年近くかかったかな。反対に親は自分の挫折を知っていたので、熱中できるものが見つかったことを喜んでくれていましたね。

――実際に「奏者」として活動した契機は?

大石 レクを販売するお店の店主から「日本でこれだけ叩ける人はなかなかいない」と言っていただいて、ベリーダンスの伴奏の仕事を紹介していただくようになったことですかね。演奏でギャラをもらえるようになって、運気が上向いてきた感覚はありました。

――演奏家として認められるようになった、と

大石 アーティストの方の評価も大きかったです。長く共演しているピアノボーカルの泉沢果那ちゃんにも、初対面の時から「やっとフィールにはまる人が見つかった」と言っていただけて。そういった縁で少しずつ自信はついていきました。

――現在も数多くのジャンルの演奏家と共演

大石 ドラムの役割も、パーカッションの役割もできるので、相手を選ばない楽器なんです。既にドラマーさんがいるバンドとも共演できますし、音が繊細なウクレレのような楽器と合わせられるので、そこは強みだと思います。

――2020年にはテレビ朝日系「報道ステーション」のテーマ曲「Brave」に参加

大石 以前ギタリストのこーじゅん君とコラボした縁で収録に参加して、大きな体験になりました。実はこーじゅん君に初めて共演を申し込んだ時には一度断られていて。後日「アーティスト写真が怖くて、関わらない方がいいかと思ってた」と本音を教えてもらいました(笑い)。今は見た目で誤解されることも少なくなりましたけどね。

――同時期にはユーチューブで動画投稿を開始

大石 とにかく認知が必要だと思って、1日に3本動画を上げた時期もありました。ライブでははっちゃけるタイプでしたし、動画サイトで話題の人たちを参考にしたら、目立つことを全部やる人、みたいな内容になっちゃって。視聴者からは「地球に1人はいてほしいけど、2人はいらない」とコメントが来たこともあります。

――やはり知名度も上昇した?

大石 共演できる方も増えましたし、最近は「パーカッション・マガジン」の表紙を飾らせてもらうことができたんです。その上でタンバリン業界自体の盛り上がりも強く感じていますね。

――演奏家としての最終目標は

大石 武道館、そしてフジロックフェスティバルです。コラボでもどんな形でもいいので、あの大きなステージに立ってみたい。昔描いていた夢を、もう一度タンバリンと目指していきたいです。

☆おおいし・りゅうすけ 1987年生まれ。アラブタンバリン(レク)奏者。テレビ朝日系「報道ステーション」テーマ曲「Brave」の演奏や、自身のユーチューブチャンネル「ガチタンバリン奏者大石竜輔」での演奏で話題を集め、各種ライブ・イベントに参加。27日には青森・八戸市で開催される南郷サマージャズフェスティバルに、「泉沢果那ニューオリンズピアノカルテット」の一員として出演する。

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