新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」が20日、大阪大会で開幕。Aブロック公式戦でKOPW保持者のグレート―O―カーンがザック・セイバーJr.(36)に出場辞退ものの完敗を喫した。
今大会は出場メンバーが一気に若返り、新時代のG1と言われている。実力だけならどう考えても出場資格がないオーカーンだが、中途半端に若いからか、それともマグレで取ってしまったKOPWの威光なのか、出場者決定トーナメントも経由せずエントリー。周囲とのレベル差は一目瞭然で「オイオイオイ、死ぬわアイツ」の下馬評がもっぱらだった。
しかも開幕前には「今年に限っては口ではなく態度、戦い方にこだわっていきたい」などと、身の程知らずにもホドがある大ボラを吹く始末。オーカーンから口を取ったら何も残らないことを、なぜ分からないのか…。そして、その心配は的中する。
ザックを相手に真っ向からグラウンドで勝負を挑むと、場外でも打撃合戦を繰り広げる。「競うな」「持ち味をイカせッ」という周囲の忠告も馬耳東風だ。
自分の武器は馬鹿力だけだとようやく気づいたのか、三角絞めを仕掛けてきたザックを強引に持ち上げてエリミネーターを決めたが、その後のカバーがノロマすぎて話にならない。
カウント2で返されると、ザックの反撃にさらされる。これに焦ったのか、それともニワトリ並みの記憶力しかないのか「戦い方にこだわっていきたい」などとホザいていたクセに、ザックの耳にかみつく醜いファイトを展開。
頼みの綱のエリミネーターはワンパターンすぎてカウンターのDDTで切り返され、そのままザックドライバーで沈められた。テクニック、スピード、ルックス、優勝への期待度すべてにおいて完敗だった。
バックステージでのオーカーンはリング上に勝るとも劣らないくらい哀れだった。「ザックに合わせたとかじゃなくて、これまで培った格闘技の技術を惜しみなく使っていく。やっと…やっと好きな戦いができた気がするよ」とプロ失格の自己陶酔に終始。
ゲイブ・キッドとの次戦(21日、大阪)に対しては「いつ何時、誰の挑戦でも受けてやるのがストロングスタイルだ。格闘技っぽい試合をするってことじゃねえ。だからゲイブ、貴様が望むなら場外乱闘マッチだろうが、デスマッチだろうが受けて立ってやるよ。相手の土俵に立って戦ってやる」と意気込んだが、みんなでルールにのっとったリーグ戦をやってるんだから、自分たちだけ勝手にデスマッチができるわけがないだろう。
報道陣は一様に「どういう意味かな」「言ってることがワカらねェや」とあきれた表情を浮かべ、オーカーンはたった1日で通常の人間の一生分の失笑を買った。
「決めろ最強」がキャッチコピーの今大会において、オーカーンの弱さはもはや不祥事レベルの大問題。今からでも遅くないから、自ら出場を辞退するべきだと言っても過言ではない気がする。