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〝意地悪ベンチ〟は路上生活者対策なのか 「暫定的な対応」で座席にポール設置する事情

東スポWEB 2024年7月22日 6時16分

街中にあるベンチを巡って昨今話題となっているのが、あえて利用しにくくしている〝意地悪ベンチ〟だ。路上生活者が寝られないようにしたものもあれば、単純に座れないようにしてあるものもある。一体どうして?

ここ数日、SNSで拡散されているのが東京・新宿区にあるベンチだ。3人座れるようになっているのだが、なぜかポールが突き立てられていて、座りにくいところがある。ポールはしっかりと固定されており、ただ置いてあるわけではない。同じようなベンチが2つある。

場所は西武新宿線中井駅の南側にある広場。ポールが立っているのにもかかわらず、利用する人はいる。ある高齢男性は「これ、なんであるんだろうね。理由は知らない」と、ポールがあるのも気にせずうまく座っていた。

広場内には「注意 広場内での飲酒はご遠慮ください」「夜間は会話を控えてください」「スケートボード禁止」「禁煙」と看板がいくつもある。これらがポールを立てた理由となっていそうだ。

新宿区役所の担当者に聞くと、ポールは2023年9月に設置されたという。「飲酒や喫煙で困るという近隣の方からの苦情があり、警察と連携して巡回をしましたが、騒音が減らず、やむを得ずの対応です」と説明した。また、「スケボーをやられている方もいて、近所の方から陳情があったこともあります」(同)。広場は高架下にあり、音が響きやすい環境にあった。〝意地悪〟するためではないのだ。

SNSでは「ベンチごと撤去したほうがまだマシ」「ベンチない方が良いのでは」という意見もあるが、ベンチを利用していた近所住民は「中井は高齢者が多いからベンチがあると助かる。ここのベンチはちょうどいいところにあるんだよ」と、ベンチの存続を期待していた。

ベンチはどうなってしまうのか。区の担当者は「ポールは暫定的な対応です。ベンチを撤去するかどうかについては検討しているところです」と、決まっていることはないと話した。

ベンチを残しつつ、静かな環境も保たれるという方策はあるのか。

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