元五輪メダリストの堀井学衆院議員が選挙区内の有権者に香典を違法に渡した公選法違反の疑惑で、21日までに東京地検特捜部から任意で事情聴取を受けた。
堀井氏は2012年の衆院選で、初当選した直後から秘書や親族に香典を持参させた疑惑がある。公選法では香典を渡すことについて、議員自らが葬儀に参列した場合を除いて禁止されている。
堀井氏には安倍派の裏金事件において、約2000万円を裏金化したとの指摘もあった。この裏金が香典に使われた可能性もあるとして、特捜部の捜査が続いている。
こうした堀井氏の不祥事を嘆いているのは大学時代を知る同級生だ。「彼はスケートばかりやってきたので勉強はあんまりでしたが、少し豪快で気の良いやつでした。リレハンメル五輪で銅メダルを取った直後の卒業式では、多くの写真の要請に答えていました。私も撮っています。真っ直ぐな性格のスポーツマンが政治家になるとこうも変わるのかと悲しくなりました」
約30年の歳月は人を変えるには十分ということかもしれない。一方で堀井氏にとって「生き方を変えた言葉」があった。本人の「note」で22年8月に更新された内容には大学の先輩から送られた「全ては己の責任」という言葉に感銘を受けたとあった。
メダリストとなって有名になった後に伝えられた言葉というが、堀井氏は「50歳となった今、深々とこの言葉の意味を深く理解しています」と記述。「衆議院議員の事務所は、いわば私が社長の会社組織です。雇用している秘書や事務員がおり、この事務所で起こりうる、全ての課題や問題、難題は、私は、己の責任と受け止めています」「己の責任、決して人のせいにしない。決して言い訳しない生き方を」とつづっていた。
後に報道される秘書による横領事件が念頭にあると思われるが、今こそかみしめないといけない言葉かもしれない。