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大谷翔平 夢でなくなってきた160m弾…〝リハビリ中の身〟で30号&本拠地144mの衝撃

東スポWEB 2024年7月23日 5時8分

どこまで飛ばすんだ――。ドジャース・大谷翔平投手(30)が21日(日本時間22日)の本拠地ロサンゼルスでのレッドソックス戦で、4年連続となる30本塁打を記録した。後半戦初、4試合ぶりの一発はとにかく飛距離がすさまじかった。1962年4月に開場したドジャー・スタジアム史上2番目の飛距離となる473フィート(約144・2メートル)の超特大弾。ただ、驚くべきは手術明けの大谷がまだ〝完全体〟ではないことで、MLBの最長不倒記録樹立もささやかれている。

〝驚弾〟が発射されたのは3点をリードした5回の第3打席だ。相手先発右腕のクロフォードが投じたほぼ真ん中へのカットボールをフルスイング。28度の角度で打ち上がった116・7マイル(約187・8キロの打球は右中間席最後部にある屋根の下をかすめ、そのまま客席後方の通路へと消えていった。

とてつもない飛距離に大谷自身も「ちょっと目視はできなかった。どこに行ったか分からなかった」と見失ったほど。打った瞬間に本塁打を確信し、総立ちとなったファンたちが騒然となったのも当然だろう。同球場では2015年にデータ解析システム「スタットキャスト」が導入されて以降、同年5月12日(同13日)にスタントン(マーリンズ)が記録した475フィート(約144・8メートル)が最長飛距離。その差はわずか「60センチ」だった。

だが、今季の大谷が記録した最長弾はこの日の一発ではない。6月18日(同19日)に敵地クアーズ・フィールドで行われたロッキーズ戦でマークした476フィート(約145・1メートル)だ。ただ、当地は標高1600メートルの高地にあって空気抵抗が少なく、飛距離が出やすいため「打者天国」とも言われる。一方のドジャー・スタジアムは中堅から本塁方向に風が吹くことが多く〝打者泣かせ〟の球場の一つでもある。そんな中での「90センチ差」だけに、いかに衝撃的な一発だったかがうかがえる。

しかし、忘れてならないのは大谷が「リハビリ中の身」である点だ。昨年9月に右ヒジを手術し、今季は投手を封印。来季からの二刀流復帰に万全を期すべく、球宴前日に行われたホームランダービーへの出場も見合わせた。ナ・リーグの打撃部門で軒並みトップを走るだけに見逃されがちだが、ロバーツ監督も「リハビリをしている途中であることで辞退につながったのだと思う」と〝万全〟ではないことを認めている。その証拠に、大谷は今でも打席に立つ際には右ヒジに分厚いサポーターを巻いて出場を続けている。

となれば、期待がかかるのが、MLB史上最長飛距離だ。球界関係者の間では「リハビリしていてあれだけ打てるんだから、もうどんなモンスター級の特大弾が飛び出しても不思議ではない」と語られている。

現在のメジャーの標準である「スタットキャスト」で集計された15年以降では、19年6月にレンジャーズのマザラが記録した505フィート(約153・9メートル)。だが、年々進化を続けながら状態をグングン上げていく大谷ならば最長不倒の更新、前人未到の524フィート(約160メートル)も夢ではないだろう。大谷も本拠地での最長記録更新に「この球場で一番大きなホームランを打ちたい」と意気込んでいる。

事あるごとに想像を超えるプレーで魅了するスーパースターに同僚のラックスは「何も驚かなくなった。言葉にできない」と絶句し、ロバーツ監督も「誰もできないことを毎晩のようにやってのける」ともはや言葉が見つからない様子だった。

今季の最長飛距離はこの日、ジャイアンツのソレアが大谷の476フィートを上回る478フィート(約145・7メートル)に更新した。2年連続の本塁打王にもバク進する大谷がやり返すのも、時間の問題かもしれない。

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