小林製薬は２３日、臨時取締役会を開き、同日付で小林一雅会長（８４）と小林章浩社長（５３）が辞任する人事を発表した。後任の社長には山根聡専務（６４）が昇格する。
この日の臨時取締役会では、紅麹成分入りのサプリメントによる健康被害の責任を巡って外部の弁護士による「事実検証委員会」が報告。「業務執行を担う社内取締役３名の経営責任は重い」と総括した。
同社は、１８８６年に小林忠兵衛が雑貨店「小林盛大堂」を創業してから約１４０年の歴史で初めて創業家以外からトップが誕生する。
一雅氏は特別顧問、章浩氏は辞任後、代表権のない取締役として今回の問題の補償を担当。また、厚生労働省が主導して進める原因究明への協力などにも対応する。
小林製薬は１月の時点で、サプリメントによる健康被害を把握していたにもかかわらず、国や自治体への報告まで約２か月もかかった。サプリとの関連が疑われる死者数は５人と発表したが、今後さらに拡大する可能性もある。