いよいよ崖っぷちだ。大相撲名古屋場所10日目(23日、愛知県体育館)、カド番の大関貴景勝(27=常盤山)が関脇阿炎(30=錣山)にはたき込みで敗れ、6敗目を喫した。
一度は貴景勝に軍配が上がったが、物言いがついた。貴景勝の左手が先についており、行司差し違えで阿炎が白星を手にした。取組後に貴景勝は「負けは負けです。自分がダメだったので負けた…」と肩を落とした。
審判長を務めた九重親方(元大関千代大海)は「(貴景勝は)勝負どころですからね。一生懸命頑張っているけど、阿炎も必死。あれも阿炎の引き技なので」と勝敗の分かれ目を分析した。
明日の11日目は、幕内豪ノ山(26=武隈)との一番。ここまで4勝6敗の貴景勝が大関を維持するためには、残り5日間で1敗しか許されない。看板力士の意地を見せるためにも、「一日一日、力を出していくしかない。しっかり明日、自分の力を信じて、相撲をやっていくしかない。今までやってきたことしか、できないので」と表情を引き締めた。