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「ドラえもん」のび太役・小原乃梨子さん 少年と大人の女性どちらの声が得意だったか

東スポWEB 2024年7月24日 5時15分

テレビ朝日系アニメ「ドラえもん」の野比のび太役などで知られる声優の小原乃梨子(おはら・のりこ、本名・戸部法子=とべ・のりこ)さんが12日に死去していたことが23日、明らかになった。88歳だった。多くの作品で活躍した二刀流声優の素顔とは――。

東京都出身で劇団員やテレビドラマ出演などを経験し、NHK「未来少年コナン」のコナン役やフジテレビ系「アルプスの少女ハイジ」のペーター役などの声優を務めた。晩年は全国で朗読や童話の読み聞かせを披露してファンを喜ばせながら、後進声優の育成に積極的に取り組んだ。

訃報は国民に大きな衝撃を与え、SNSのトレンドでは関連ワードが席巻した。「のび太とともに私も成長しました」「優しいのび太の声が大好きでした」といった投稿や、往年のアニメファンからはフジ系「ヤッターマン」のドロンジョ役やTBS系「超時空要塞マクロス」のクローディア・ラサール役に代表されるような、艶やかな大人の女性の声を懐かしむ投稿が多く寄せられた。アニメ制作関係者の話。

「小原さんは『超電磁マシーン ボルテスV』(テレ朝系)で少年と敵の女性幹部の2役をこなすなど、その演じ分けには定評がありました。声優が少なかったアニメ黎明期は貴重な存在として制作陣から重宝されていたと聞いています」

その演技力は同業者からの尊敬も集めた。

共演経験のある声優は「元祖〝演じ分けの人〟だったね。本人に『(少年の声と大人の女性の声では)どっちが得意?』って聞いても『どっちなのかしらね』って笑ってはぐらかすばかり。本音は〝どっちも得意〟だったんじゃないかな。あの人は正真正銘のプロだから」と目を細めた。

小原さんは「声優アワード」で功労賞やシナジー賞を受賞。確かな技術で多くの作品に彩りを加え、アニメ・声優文化の発展に寄与した。

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