米俳優のジョン・ヴォイト(85)は、イスラエル軍とパレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦争をめぐり、娘で女優のアンジェリーナ・ジョリー(49)の立場を猛批判した。
23日に掲載された米誌「バラエティ」(電子版)のインタビューでヴォイトは、ジョリーが「プロパガンダにさらされてきた。反ユダヤ主義者の影響を受けている」とした上で、「国連とのつながりで、難民のために声を上げている。だが、これらの人たちは難民ではない」と武装組織ハマスについて指摘した。
ジョリーは、これまで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使に任命されるなど、人道問題にかかわる活動を続けている。
昨年10月7日にハマスがイスラエルを急襲し、多くの民間の犠牲者を出した際には、ジョリーはインスタグラムで、「うんざりし、憤っている。イスラエルで起こったことはテロ行為だ」と強調。「失われた罪もないガザの民間人の命の代償としても、これは正当化できるものではない」とし、「パレスチナ人とイスラエル人の命、そして世界中の全ての人々の命は、等しく大切だ」と訴えた。
だが、イスラエルの熱心な支持者で、ハリウッドでは異質のトランプ支援者で知られるヴォイトは同誌に、「私は娘を愛している。娘と争いたいとは思わない」と前置きし、「彼女は国連の輪の中にいて、実際の利害関係や本当の話が何なのか分かっていない」と批判。イスラエル派のヴォイトは、ジョリーが強くパレスチナを批判しない姿勢に対する不満をあらわにした。
ヴォイトはまた、ハリウッドの住人たちは囲われた〝バブル〟の中で暮らし、「何が起こっているのか全く知らない」とし、自分と同じ〝確かな情報〟にアクセスできていないと主張した。