５月の「第５４回ＮＨＫ上方漫才コンテスト」でファイナリストになり、ブレークを期待されているのが、芸歴４年目の若手女性ピン芸人くわがた心（２３）だ。Ｋ―ＰＯＰアイドルを目指してオーディションに挑戦した過去を持つ。所属の松竹芸能からは「シン・かわいい女性芸人」としてプッシュされ、本人は賞レースの優勝賞金で松竹の韓国支社をつくる恩返しを描くが、その“心”は――。
くわがたは５月、「第５４回ＮＨＫ上方漫才コンテスト」で優勝を逃したものの、ファイナリストになった。ステージでは、かわいらしいルックスとは裏腹にゴリゴリの関西弁をまくし立てるおじさんネタで爆笑させた。同コンテストでは過去に中田カウス・ボタン、ますだおかだ、フットボールアワー、かまいたち、ゆりやんレトリィバァらが優勝。松竹芸人が出場するのは、２０１１年の第４１回で準優勝したさらば青春の光以来、１３年ぶりだった。
――上方漫才コンテストで決勝進出が決まった時の周囲の反応は
くわがた 事務所の先輩の安田大サーカス・団長安田さんに「すごいやん」と褒められましたが、「１３年おもろいヤツがおらんかっただけ」とツッコまれました。吉本興業のガクテンソクさんも「がんばれ。俺らもがんばる」と応援してくれて。（上方漫才コンテストで）披露したネタは（俳優の）川﨑麻世さんにいただいたアドバイスを生かしたんです。でも、出場した報告を忘れました。
――ネタはどのくらい作っている
くわがた コントネタ３本、漫談３本。少ないですよね。（上方漫才コンテスト）出場後に審査員だったハイヒール・リンゴさんがアドバイスしてくださったので、今あるネタをさらにブラッシュアップしていきます。音ネタも作っていきたいと思っています。
――ライバル芸人は
くわがた 吉本のやましたっていう女性ピン芸人とは仲がいいです。昨年５月に知り合ったんですけど、週に５回会って飲みに行ったことがあるくらいで。今はネタも一緒に書いていますし、「２人で勝ち上がっていきたいな」って言ってますね。仲はいいけど、むちゃくちゃライバル視しています。
――ブレークを期待される。今後の目標は
くわがた ９月８日の「くわの日」に単独ライブに初挑戦します。会場（大阪・ＤＡＩＨＡＴＳＵ心斎橋角座）の１２０席を埋めるのが目標。芸人としての目標は「女芸人№１決定戦 ＴＨＥ Ｗ」「Ｒ―１グランプリ」です。
――お笑い以外では
くわがた 体力には自信があって、１キロを３分２７秒で走れるので「オールスター感謝祭」（ＴＢＳ系）で走りたいです。いろんなことに挑戦したくて、ＮＨＫ朝ドラ「ばけばけ」（２５年度後期放送）のオーディションにも応募しました。いつか大河ドラマにも出演したいので、ピアスの穴を開けていない。着物も似合いますよ（笑い）。
――将来の夢は
くわがた もともとＫ―ＰＯＰアイドルを目指して、中学生のころから歌手とか女優のオーディションを受けまくって、落ちて。拾ってくれたのが松竹芸能だったんです。だから、事務所への愛は強い。賞レースの優勝賞金で韓国に松竹芸能の支社をつくる夢を描いています。
☆くわがた・こころ 本名・鍬形（くわがた）心。２００１年５月２２日生まれ。大阪府出身。身長１６４センチ。２１年に芸人デビュー。今年の「Ｒ―１グランプリ」では準々決勝で敗れた。愛称は「くわここ」。