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【バレーボール】主将・石川祐希 決戦地パリで胸中激白「高さがある方が勝つ確率は高いけど…」

東スポWEB 2024年7月27日 5時19分

花の都の〝主役〟に名乗り出る――。パリ五輪の開会式が26日(日本時間27日)、市中心部を流れるセーヌ川などで行われた。目標とする20個の金メダル獲得に向けて、日本選手団は180人が参加。約3週間の熱戦が幕を開けた中で、最も注目を集めるのがバレーボール男子日本代表だ。チームをけん引する主将・石川祐希(28=ペルージャ)が大会前にインタビューに応じ、金メダルへの思いを激白。体格で劣る日本人でも世界で戦えることを証明するつもりだ。

男子代表は2016年リオデジャネイロ五輪は出場権を逃し、自国開催の21年東京五輪はベスト8。パリ五輪の前哨戦ネーションズリーグ(VNL)では銀メダルを獲得した。世界ランキングも2位に浮上するなど、着実に進化を遂げている。

石川 五輪で金メダルを目指すためにVNLで決勝に行こうとチームで話していたので、金メダルを取るイメージはVNL前よりできている。個人でも代表でも世界大会で優勝してMVPを取りたい。代表でもクラブ(ペルージャ)でも目指すものは一緒。代表では代表で勝つことを考えている。僕はVNLにピークを持っていっていないし、五輪がピークだと思っています。

男子代表は1972年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得。しかし、その後は五輪で表彰台に立っていない。世界の高さに苦戦を強いられてきたが、鍛え上げた守備力、技術力などで対抗。長所を伸ばすことで短所を一つずつ潰してきた。

石川 高さが正義と言われるのはその通りだとは思うけど、高いイコール、点数が取れるわけではない。自分たちはリバウンドやディフェンスなどの強みを生かしてやっていくことが必要。高さがある方が点を取る確率は上がるが、高さがある選手以上に決定率を高くすることは可能なので、僕たちはそこで勝負できれば。世界に比べるとサイズはないけど、勝つことはできる。高さがある方が勝つ確率は高いけど、結局は勝ったチームが強い。その強いチームが日本だと証明したいです。

近年は石川、高橋藍(サントリー)、西田有志(大阪ブルテオン)らを筆頭に、人気と実力を兼ね備えた選手が数多く台頭。国内外でバレーボールブームが巻き起こる一方で、当の本人は現状を冷静に分析している。

石川 ただ面白いバレーをするだけだったら、ここまで人気は出ないと思う。プラスで結果が出ているから、見てくれる人や注目してくれる人も増えているのでは。人気があろうとなかろうと、アスリートである以上、結果を求め続けなければいけないと思っている。結果を出すことで僕たちを見てくれる人がさらに増えたり、子供たちもかっこいいなと思ってくれる可能性が高いと思うので、未来の子供たちにとっても非常に夢があるスポーツだと証明したいです。

パリ五輪は1次リーグで五輪3大会金メダルの米国(世界ランキング6位)、東京五輪銅メダルのアルゼンチン(同8位)、ドイツ(同11位)と対戦。頂点への道のりは険しいものの、大黒柱の視線は前を向いている。

石川 ほぼ8年間変わらないメンバーでやってきて、僕たちのためにもパリ五輪は戦う。子供たちがバレーを始めたい、俺、私もこうなりたいと思ってくれるきっかけになればいいなとは片隅で思っているけど、何のためにやるかと言われたら、全員が口をそろえて自分のためにやりますと言えるチームだと思います。

リオデジャネイロ五輪は、スタンドから他国の選手の活躍を眺めることしかできなかった。あの日の悔しさから8年。リベンジへの準備は整った。

☆いしかわ・ゆうき 1995年12月11日生まれ。愛知県出身。姉の影響で小学4年時に競技を始める。愛知・星城高では公式戦99連勝、2年連続で3冠(全国高校総体、国体、全日本高校選手権)に輝いた。2014年に中大へ進学すると、在学中からイタリアでプレー。同年に初代表入り。21年からは主将を務める。妹の真佑は女子代表。192センチ。

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