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【名古屋場所】大の里が10勝王手 大関とりへ憧れの恩師がエール「最後は自分自身との戦い」

東スポWEB 2024年7月28日 6時9分

恩師も大関とりにエールだ。大相撲名古屋場所14日目(27日、愛知県体育館)、新関脇大の里(24=二所ノ関)が幕内美ノ海(木瀬)を押し出して9勝目(5敗)。三役での2場所連続2桁白星に王手をかけた取組後は「思い切りいけて良かった。明日の一番で終わりなので、細かいことは気にせずに集中していきます」と気を引き締めた。

夏場所は新小結で12勝を挙げ、史上最速優勝を達成。今場所は初日から2連敗スタートとなったが尻上がりに調子を上げて、11日目に全勝で単独首位だった横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)を撃破。そこから不戦勝も含めて4連勝中だ。

大の里は石川・津幡町出身。新潟・糸魚川市の能生中、海洋高出身の三輪隼斗さん(29=ソディック)に憧れ、同中高に6年間の相撲留学をした。同高で大の里を2年間指導した三輪さんが取材に応じ「(大の里は)ほかの学生と比べて相撲のセンスとか、相撲に対する思いは当時から強かった。練習も熱心にやっていた。相撲が好きなんでしょうね」と学生時代からの素質を証言した。

2016年に大の里は、高校1年生ながらインターハイで準優勝。当時から〝大器〟の片りんを見せつけていたが、その一方で精神面に課題があったようだ。三輪さんは「どちらかというと、気持ちの面でムラがあった。1年生でインターハイを準優勝したけど2年生でパッとしなくて、3年生の時に全国の選抜大会で優勝した感じ。本来の力を出せば、ほかの大会でも優勝できたと思う。気持ちの弱さが出て自分の相撲が取り切れなくて、負ける試合が多かった」という。

その上で、三輪さんは「(大の里には)『もっと強い気持ちを持っていけよ』とは常に言っていた。最後は(土俵上で)1対1で(精神的には)自分自身との戦いになるので」と当時かけていた言葉を明かした。大の里は高校卒業後に日体大に進学。2年連続アマ横綱の実績を引っ提げて、二所ノ関部屋に入門した。

ここまで本場所で負け越しはなく、順調に番付を上げてきた。三輪さんは「まずはケガに気を付けて頑張ってほしい。そこを第一に将来的には大関、横綱になってもらいたい」と後輩にエールを送った。

大関昇進の目安は、三役(関脇・小結)の地位で3場所合計33勝以上。秋場所(東京・両国国技館)の大関とりにつなげるためにも、まずは千秋楽を白星で締めくくれるか。

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