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【大村ボート・SGオーシャンC】田原成貴氏「SG5Vのうち3回が2号艇。〝黒の菊地孝平〟は侮れない」

東スポWEB 2024年7月28日 11時10分

ボートレース大村のSG「オーシャンカップ」は28日、準優勝戦を勝ち抜いた6選手によって優勝戦が行われる。ボートレースファン歴46年、元天才ジョッキー田原成貴氏(65)がV本命に指名したのは菊地孝平(45=静岡)。現役ジョッキー時代から抱くボートレース発祥の地への思いとともにファイナルバトルのVシーンを占った。

【田原成貴氏が熱く語る】全国24のボートレース場には私の中でそれぞれの季節がある。住之江といえば師走の寒空の下で開催されるグランプリを思い出すし、桜満開の春であれば平和島、戸田か。かつての総理杯、今のクラシックが想起されるからだ。

今回の舞台、ボートレース大村はズバリ、夏のイメージだ。現役ジョッキー時代、夏場の小倉開催時によく足を運んだ。調教施設や輸送システムが今ほど充実していなかった当時、われわれは小倉に長期滞在。職業柄めったに長期休暇が取れないため小倉開催はちょっとした夏の旅行気分。オフの日はちょっと足を延ばして観光スポットを楽しんだ。その最たる例は福岡・中州の歓楽街であるが、私はもっぱら長崎県のボートレース大村だ。

長崎といえばオランダ村、ハウステンボス、平和公園、結の浜マリンパークなど観光名所がたくさんある。しかし私にとってマリンパークはボートレースであり、クールファイブの「長崎は今日も雨だった」よりも大村ボートの締め切り5分前の音楽「森のくまさん」のほうが長崎ソングとして定着している。

だから今でもボートレース大村の水面を見ると夏のにおいを感じ「森のくまさん」を聞くと大村ボートを思い出すのだ。そういえば小倉競馬場で一緒に仕事をしていたボートファン仲間と大村でばったり顔を合わせ、お互いに「結局お前もここか」と、よく笑い合ったものだ。

そんな地で開催される夏のオーシャンカップ。まさに私のイメージにピッタリの舞台設定だ。今回も〝あの夏〟を思い出しつつ水面バトルを観戦していたが、あの時代とただ一つ違うのがナイター開催。灼熱の太陽の下で舟券を買っていた当時を考えると不思議な気持ちだ。ついにボートレース発祥の地もナイター照明に照らされる時が来たのか…。つくづく時代を感じてしまう。

さあ、優勝戦だ。今大会も予選から見てきたが、とにかく酷暑の影響で選手の皆さんは調整に苦しんでいた印象だ。エンジン出ているな、と確信した翌日にアレ? と思ったり、日によって目まぐるしく機力相場が変わっている。そんな中、日を追うごとにエンジンを上昇させた菊地選手は魅力的だ。序盤はやや苦戦していたが、4日目はセンター枠から攻めたレースで着をまとめ、準優10Rではインから先マイし、後続艇を引き離して逃げ切る圧倒的な機力を見せつけた。

菊地選手といえば艇界随一のスタート巧者。イン速攻のイメージが強いが、SGでは5回の優勝のうち3回が2号艇だ。そう〝黒の菊地〟は侮れない。1号艇の山口剛選手は抜群の機力だが、菊地選手も負けていない。2コースから差し切って8年ぶりのSG制覇! そんなシーンが私には見える。

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