北の大地が揺れた。女子プロレス「スターダム」の札幌決戦(28日)は大波乱の結末を迎えた。老舗ユニット「クイーンズ・クエスト(QQ)」を1人で背負っていた上谷沙弥(27)が、王者・舞華 vs 刀羅ナツコのワールド王座戦にまさかの介入。刀羅のベルト取りをアシストした。大江戸隊改め「H.A.T.E.(ヘイト)」と改名した極悪軍団入りした不死鳥に何があったのか――。
第1試合で上谷は、ハイスピード王座V3戦で星来芽依に敗れ王座から陥落。その後、メインのワールド王座戦では共闘する舞華のセコンドに就いていたものの、刀羅がリストクラッチ式みちのくドライバーⅡからフォールされたところでひょう変。レフェリーのカウントを阻止し、刀羅の王座取りを援護射撃した。
試合後は「舞華、今日はお前を泣かせに来たんだよ。永遠にさようなら」と言い放ち、着ていたQQシャツを投げ捨てると大江戸隊から改名したヘイトに加入した。
会場を出た上谷は取材に応じ「自分自身を信じた結果。それ以上でもそれ以下でもない」と明かすと、舞華に対し「アイツに対して私は特に何も思ってなかった。これだけ昔からやり合ってきたのに私を信じて、バカだよね。アイツは」と高笑いをした。
QQリーダーを務めていた上谷は6月の代々木大会で行われた大江戸隊との最終決戦で敗北。上谷以外のAZM、妃南、レディ・C、天咲光由がQQから強制追放された。その後〝1人QQ〟として活動する中で舞華と共闘し、2人でゴッデス王座取りを目指していたはず。いったい、いつから極悪軍団とつながっていたのか。本人を直撃すると「アンタに関係なくない?」と記者をにらみつけた。
2019年8月にデビューした上谷は、紫雷イオ(現WWEのイヨ・スカイ)が16年に立ち上げたQQに加入。今年3月に退団した前リーダー・林下詩美の思いも背負い1人でQQを守ってきたが、今の上谷にそんな気持ちは微塵もない。「今いないヤツがつくったユニットなんて、必要ないでしょ。林下詩美はスターダムを裏切り、私を捨てた。これは当然の結果」と言い切った。
23日後楽園大会では小波が極悪軍団に復帰したばかり。ここに上谷も加わり8人の大所帯になった上に、団体最高峰王座を手にしたヘイトが今後は団体をけん引する。「スターダムにいる調子乗ったヤツら一人ひとりを哀れな顔にさせていく」
真夏の祭典「5★STAR GP」(8月10日、横浜で開幕)もまもなく始まる。昨年は初戦で左ヒジを脱臼し4か月の欠場を強いられたが「去年はいい長期休暇をもらったから、今年はどんな夏にしようか楽しみに考えてるよ」とニヤリ。闇落ちした不死鳥から目が離せない。