新潟県の佐渡金山が世界文化遺産登録されることが決定し、地元が盛り上がっている。候補地となってから14年たって念願の登録。これで日本の世界遺産は文化21、自然5の計26件になった。ところで小池百合子東京都知事は都知事選で「江戸・東京の文化を世界遺産に」と掲げていたが、いつになるのか。
世界遺産の候補として、小池氏はこれまでに江戸城の石垣や増上寺、日枝神社など徳川幕府ゆかりの地を挙げていた。もっとも、建物だけでは弱い。永田町関係者は「ただ古い建物というだけなら世界にはいくらでもある。世界遺産になるためには、どういう価値があるのかというストーリーが必要になる」と指摘した。
例えば「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」では教会などが世界遺産となっているが、それらを潜伏キリシタンで関連付けることで評価された。江戸にはどんなストーリーがあるのか。
小池氏は「江戸時代はいろいろな着物などでいったん着たものをまたほどいて別のものにするとか、廃棄物をほとんど出さなかった。人間の汚物なども江戸野菜を作るために肥料として生かされるなど、捨てるものがなかったんですね。究極のSDGsです」とアイデアの一端を本紙インタビューで話していた。
佐渡は14年かかったが…。都政関係者は「3期目の4年間で世界遺産に登録されるとは小池氏も思っていない。将来的な登録のためにエントリーの準備をするということでしょう」と指摘。
相当な時間がかかりそうだ。