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【MLB】マット・ストラーム 野球カードにハマりすぎて…球宴仕様の〝特注ベルト〟がスゴいことに!

東スポWEB 2024年7月29日 11時11分

【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】「テキサスに来てからスマイルが止まらないから、楽しんでいるよ」

先日、爽快なスマイルで周りの人に幸せをまき散らすように球宴を満喫していたマット・ストラーム。この人の「好き」に突き進む姿勢がすごい。

「アウトドアが好きだから、レッドカーペットはカムフラージュ柄のジャケットを着ることを妻に許してもらって、コーディネートしたんだ。うれしかった~」

クラブハウスでそう話す彼の腰には、球宴用の黒と青のユニホームにはやや不釣り合いな不思議に光る赤やシルバーカラーのベルトが…。近づいて初めて分かった。フワフワなロン毛が印象的なマット本人が、白地に赤ストライプのユニホームを着て球を投げた瞬間の写真が横向きに何枚も並んでいることを。

マットは「ふふふ」と得意げに笑いながら「去年からフィリーズの一員となった自分のベースボールカードをベルトにしたものなんだ。いろんなバリエーションがあって、これはボーダーに星が描かれているから独立記念日のパラレル。こっちは青の斑点パラレル。同じ写真のカードでもパラレルのデザインが違うものでベルトを作ったんだよ」。

ベースボールカードには基準となるベースカードがあって「パラレル」カードは、ベースカードの枠組みの色などデザインを一部変えたものらしい。

「一番のお気に入りはバックルのところで、NLDS(ナ・リーグディビジョンシリーズ)に出た時のイメージ・バリエーションカード。娘に僕がアイラブユーのサインを送っている瞬間なんだ」

ベルト1本につき、14枚のカードを使用し、それぞれのカードに思いやストーリーがある。明るい顔をさらに明るくし、球宴初出場の記念に特注したベルトを早口で説明してくれたマットは筋金入りのベースボールカードコレクターだった。

「幼い頃に弟と集めていたんだけど、6~7年前にふとパッケージを買って開けたら、当時と同じ興奮があったんだ。まるで10歳に戻ったみたいだった。それからまたすっかりハマっちゃって、今では自宅に箱が山積みになったカード専用の部屋があるくらい」

マットにとって、カードが入ったセットを買ってパッケージを一つひとつ開け、チームメートや自分のカードを当てる瞬間が至福なのだという。

その様子は4年前から彼が配信しているユーチューブ「Strahm’s Stadium Pulls」でも見られるが、実は2021年に「スポーツカードが再びきている!」とスポーツプロデューサー、ブランドン・ヴァーザル氏がテレビ番組「The Card Life」を立ち上げ、司会にマットを抜てきした。マットは「カードは決して転売しない」がポリシーだが、番組ではお金以外のところでカードに情熱を注ぐコレクターらに着目。ベルトも番組内で出会った会社「カード・ベルト」に依頼して大急ぎで作ってもらったものだそうだ。

そして、このベルトには後日談がある。フィリーズの地元紙「ザ・フィラデルフィア・インクワイアラー」によると、野球の殿堂から「博物館で展示するために寄付してほしい」とマットに連絡があったというのだ。

「マット・ストラームは自分が野球の殿堂には入れないだろうと自覚している。だが、彼のベルトにはチャンスがある。マットは寄付してくれないかと聞かれ『当然! 僕があそこに入れる唯一のチャンスじゃないか』」

野球の殿堂の関係者がマットの元にベルトを取りに来るまで確定ではないそうだが、記事を読んで思わず「面白すぎでしょ!」と声に出して笑ってしまった。

ちなみに、マットが特注ベルトをしている写真のカードをカード会社「トップス」が約1800枚制作し、マットは100枚ほど注文したそうだ。

☆マット・ストラーム 1991年11月12日、米ノースダコタ州ウェストファーゴ出身。左投げ右打ち。2012年のMLBドラフト21巡目(全体643位)でロイヤルズから指名され、16年7月31日のレンジャーズ戦でメジャーデビュー。17年7月にトレードでパドレスに移籍。19年は先発で16試合、リリーフで30試合に登板した。20年オフにFAとなり、22年はレッドソックスで1年プレーし、23年からフィリーズと2年契約を結んだ。188センチ、86キロ。

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