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【なでしこ】谷川萌々子の芸術30m弾は必然! 「狙うんですよ…」恩師語るロングシュートの原点

東スポWEB 2024年7月29日 11時12分

なでしこジャパンは、パリ五輪のサッカー女子1次リーグ第2戦ブラジル戦(28日=日本時間29日)で、後半アディショナルタイムからの大逆転で2―1と劇的な勝利を飾った。MF谷川萌々子(19=ローセンゴード)が芸術的なロングシュートで決勝点。かつて谷川を指導したJFAアカデミー福島の女子統括ダイレクター・山口隆文氏(66)が、スーパーゴール誕生の〝原点〟を明かした。

なでしこにニューヒロインの誕生だ。

0―1と敗色濃厚で迎えた終盤に、途中出場の谷川がドリブル突破で相手のハンドを誘ってPKを獲得。これを主将のDF熊谷紗希(ローマ)が決め、土壇場で同点に追いついた。

しかし、ドラマはこれで終わっていなかった。MF清家貴子(三菱重工浦和)が右サイドでボールを運んだ後のこぼれ球に谷川が反応。ゴールまでは距離があったが、迷うことなく右足を振り抜くと、美しい弧を描いたボールに相手GKは一歩も動けず、約30メートル先のネットを揺らした。

スタジアムが震かんするスーパーゴール。大歓声の中で喜びを爆発させた谷川は、ド派手なガッツポーズでチームメートから祝福を受けた。

1次リーグ初戦でスペインに敗れ、窮地に陥った日本に出現した救世主。かねて注目されていた逸材が大舞台で一気に開花したことで、日本のファンからはSNS上で「谷川選手は澤穂希の再来か? ものすごいインパクト」と2011年ドイツW杯優勝など大エースとして日本をけん引してきたレジェンドを引き合いに出して、絶賛の嵐が吹き荒れている。

ニューヒロインが初出場の大舞台で見せたスーパープレーは必然だったのかもしれない。

中学時代から指導する山口氏は「彼女は中2のころから、よくハーフウェーラインから(シュートを)狙うんですよ。なんでそんな無謀なことするのかなと思ったけど、放っておいたら、結局入っちゃうんですよね。それはGKの身長が中学校のころは低いから入っちゃうんですよ」とロングシュートの〝原点〟を語った。

年代が上がっていっても〝長距離砲〟は衰えるどころか威力を増していく。2022年10月のU-17女子W杯のスペイン戦で決めた左足のロングシュートも〝伝説〟となっている。同氏は「やっていくうちに精度が高くなり、キックのスピードも速くなった。持っている感性をいじくらないでやっていったら、自分の能力をどんどん、どんどん高めていった。ロングシュートなんか、あんまり練習させたことない。自分でやるわけですよ」と説明。この日もためらいなく打てたのは、センスとともに磨き続けたスキルの裏打ちがあったわけだ。

チームのピンチを救った19歳ヒロインは「自分が(流れを)変えてやると強い気持ちを持っていた」と吐露。悲願の金メダル獲得へ頼もしい存在となっていきそうだ。

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