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【柔道】阿部詩戦、橋本壮市戦だけでも「一貫性がねえなって」 小川直也氏〝審判問題〟の核心ズバリ

東スポWEB 2024年7月30日 6時13分

柔道競技3日目(29日)は男子73キロ級の橋本壮市(32=パーク24)と、女子57キロ級の舟久保遥香(25=三井住友海上)が銅メダルを獲得。ニッポン柔道は3日間で早くも5個のメダルをゲットした。その一方、物議を醸しているのが審判問題。不可解な判定が相次ぎ、日本のメダルの色が変わる事態となった。これは一体、どういうことなのか。バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(56)が、「柔道の審判」問題をぶった斬った。

今大会では男子60キロ級準々決勝で、永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)が「待て」の後に絞め落とされて一本負けして大騒動に。この日も橋本が準々決勝で地元フランスのガバに微妙な判定で敗れ、大きな波紋を呼んでいる。

小川氏は「柔道はそこじゃない。勘弁してくれよ。日本人選手がルールに左右されちゃう。ルールでうんざりだよ」と吐き捨てた上で、まずは橋本の場面を解説する。橋本は組み手争いの中で反則があったとして、3つ目の指導を取られ、反則負けとなった。

「解説すると、片手ではいいんだけど、両手で組み手を切ったらダメなんだ。厳密にいうと、両手切りをしてもすぐに攻撃すればOK。ただ、橋本選手は攻撃をしてたように見えたけどね。微妙なところではある」(小川氏)。それよりも問題は、判定に一貫性がないことだという。

前日の女子52キロ級2回戦では阿部詩(パーク24)がケルディヨロワ(ウズベキスタン)に一本負けしたが、小川氏はその前に相手にも反則があったと指摘していた。これを受け「詩選手の時は流したのに、橋本選手は(反則を)取った。一貫性がねえなって。『?』だらけだよ。見ててつまらないよね」と指摘する。

小川氏の持論では、柔道では五輪を頂点にルールが改正されていくため、五輪はルールでも最高峰の舞台となる。それだけに「本番でルールがちぐはぐするのは勘弁してくれよって話だよ。頂点の大会で審判がグダグダしているって、何をしたいんだって。普段から柔道を見ている人以外には、さっぱりわからないよな」とぶちまけた。

一方、柔道発祥国の日本は競技人口の減少に歯止めがかからないが、欧州では競技人口の多いフランスを中心に根付いている。「テレビでもわかるけれど、フランスの観客は指導を取っただけでも大盛り上がりだった。五輪でしか柔道を見ない人が多い日本では説明がつかないよな」。

その上で「あれで日本の柔道が置かれてる立場を表していると思うんだ。現在の柔道は欧州が主導して、欧州基準になっている。ポイントを取る柔道から一本を取る柔道へと回帰してきたけど、今の欧州基準はルールが事細かくなっているんだ」と分析。そうした状況のため、審判にも選手にもルールが落とし込まれていないようだ。

ただ、女子48キロ級の角田夏実(SBC湘南美容クリニック)と男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)は、圧倒的な強さで金メダルを獲得。「今は頭1つどころか頭10個くらい抜けていないと、勝てない時代なのかもしれない」と元暴走王は締めた。

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