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【柔道】村尾三四郎の「技あり」騒動を徹底検証 小川直也氏は「相手のほうが一枚上だった」

東スポWEB 2024年8月1日 4時11分

パリ五輪の柔道男子90キロ級決勝で村尾三四郎(23=JESグループ)が、東京五輪Vのラシャ・ベカウリ(ジョージア)に敗れ銀メダル。一方、試合では〝疑惑の判定〟が相次ぎ、SNS上では騒然となった。果たして、またも〝誤審〟が繰り返されたのか? バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(56)が、リモコン片手に緊急検証した。

村尾は小外掛けで技ありを取るも、その後にベカウリに追いつかれた。残り1分を切ってから内股で「技あり」を奪ったかに見えたが、認められず。最後は逆に小外を隅返しで返され、ポイントを奪われて合わせ技一本負けとなった。

ここで波紋を呼んだのが村尾が放った内股だ。中継では五輪2大会連続金メダルの大野将平氏が思わず「技あり」と解説したが、主審はポイントをとらなかった。村尾もこれには不満げな表情を見せた。すでに「技あり」を奪っていただけに、これが「技あり」なら合わせ技で試合が終わり、村尾が勝利していた。

SNS上では「技ありあったろ?」「こりゃ、誤審だろ?」とまたしても大騒ぎになったが、小川氏は何度もビデオで見直した上でこう述べた。

「(技ありは)あるっちゃあるし、微妙な判定だけど、尻もちだからギリセーフ。流れでは思い切りいってるんだから、あると思うだろうけどね。ケツだけついたから、今のルールだとないな。あれは村尾選手が押し込んで、相手の背中をつけなきゃいけない。村尾選手の最初の技ありも背中はついてないけど、両ヒジがついていたからね。ベカウリもちゃんと背中をつかないように、コントロールしている。尻もちをついただけで(技ありは)ないとわかっている」

小川氏によると、その前にベカウリが村尾に仕掛けた技も、微妙な判定だった。「ベカウリが最初に払い腰をかけて巻き込んだ。これも(技ありが)あるっちゃある」といい、逆にこれが「技あり」とジャッジされればベカウリの勝利だった。

また、最後にビデオ判定で「技あり」となったベカウリの隅返しは文句なしだという。「同じ技を三四郎が仕掛けて、ベカウリが待っててひっくり返した。あれは十分『技あり』があった。どうしようもない。悔しいけど、相手のほうが一枚上だった。技ありがなくなって、焦っちゃったかな。ゴールデンスコアに持ち込んでも良かったと思うけど。もったいなかった」。その上で〝誤審〟かどうかについては「今回に限っては、審判はちゃんと見てる。少年柔道の頃から三四郎を見てきただけに、悔しいけど」と話した。

小川氏が筑波大大学院に通っていたころ、ちょうど村尾少年は「つくばユナイテッド柔道クラブ」で柔道を始めた。それだけに村尾には注目していたといい、「決勝はいい試合だった。五輪の最高の舞台にふさわしい、面白い試合だった。90キロ級の世界最高レベルの、どっちが勝ってもおかしくない好勝負。今回は負けたけど、三四郎の4年後に期待したいね」とエールを送っていた。

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