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【なでしこ】8強入り!新鋭ストライカー・浜野まいかを支える「吉田松陰の教え」

東スポWEB 2024年8月1日 7時28分

【フランス・パリ31日(日本時間8月1日)発】なでしこジャパンに、またシンデレラ候補が登場だ。サッカー女子は1次リーグ最終戦が行われ、日本はナイジェリアに3―1で快勝して8強入りを決めた。準々決勝では五輪最多4度の優勝を誇る米国との対戦が決定。大一番に向けて期待が高まるのが、この日そろって五輪初ゴールを決めたFW浜野まいか(20=チェルシー)とDF北川ひかる(27=INAC神戸)の新ヒロインコンビだ。

またニューヒロイン誕生だ。前半22分、MF長谷川唯(マンチェスター・シティー)からのスルーパスに反応したFW植木理子(ウェストハム)がゴール前へクロスを入れると、浜野が冷静に押し込んで先制点となった。

記念すべき自身の五輪初ゴールは、チームに勝利をもたらす値千金の一発。アシストの植木が前日に誕生日を迎えたこともあり、2人そろってバースデーケーキの形をジェスチャーで示すパフォーマンスも飛び出した。浜野は「理子さんがシュートするかなと思ったけど、信じて走ったら出してくれた。決められてよかった。夢の舞台でゴールできるのは本当にうれしい」と喜びを爆発させた。

2022年に日本が準優勝したU―20W杯で大会MVPを獲得し、なでしこの次代を担うエース候補。そんな20歳の新鋭ストライカーを支えるのが、幕末の思想家・吉田松陰の教えだ。浜野は「『覚悟の磨き方』という吉田松陰の本を小学6年生のときにコーチにもらって、そこから大事にずっと読み続けている」と明かす。

クラブでの海外生活や代表活動時なども肌身離さず持ち歩いており「なりたい自分になりきるとか、生き方はどうあるべきかが書いてある。(読むたびに)毎回響きます」とメンタルを整える教材にして飛躍につなげている。

そんな浜野に続いたのが、同じく今大会が初五輪の北川だ。2―1と追い上げられて迎えた前半アディショナルタイム。正面やや右寄りの位置で得たFKでキッカーを務めると、左足から放たれたボールは芸術的な放物線を描いてゴールへ。元日本代表MF中村俊輔氏をほうふつさせる鮮烈FKで、深夜の列島を沸かせた。

決勝トーナメントへ向けて日本の強力な武器になりそうな〝悪魔の左足〟。人生で直接FKを決めたのは初めてといい「自分自身もびっくりした。チームに貢献できてよかった」と北川は笑顔を満開にさせた。五輪の大舞台で秘める才能が開花した裏には、4月のシービリーブスカップでの苦い経験がある。

ブラジル戦に出場した北川は世界の強豪と対峙して「プレスのスピードとかは、びびってしまって…。遅れることもあった」。このままでは国際舞台で戦えないと強い危機感を抱いた。そこで「映像を見て課題を追求し、プレーだけじゃなく頭の回転も含めて速く。どうやったら相手が嫌がるかを常に考えながら、自分らしさを出して」と心身ともに鍛え直して自身が理想とする選手像を追い求め、活躍につなげた。

日本は前戦のブラジル戦で新星MF谷川萌々子(ローゼンゴード)の活躍が脚光を浴びたばかり。またシンデレラ候補が登場し、難敵の米国撃破へムードは最高潮だ。

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