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【フェンシング】男子エペ団体は銀 加納虹輝らメンバー語る〝ラッキー金〟だった東京五輪との違い

東スポWEB 2024年8月3日 7時50分

進化の銀メダルだ! パリ五輪のフェンシング男子エペ団体(2日=日本時間3日、グランパレ)決勝が行われ、エース・加納虹輝(JAL)、古俣聖(あきら=本間組)、見延和靖(ネクサス)、山田優(山一商事)の日本はハンガリーに25―26で敗れ、2連覇を逃した。悔しい結果とはいえ、個人エペ金メダルの加納らメンバーは、チームの成長を実感。それを証明すべくエースは、早くも4年後を見据えた。

頂上決戦は序盤からリードを許す展開。一時5点差をつけられるが、第7セットに古俣が積極的に攻めて5点を奪い、16―17まで詰め寄った。第8セットの山田は3連続ポイントを許したものの、残り7秒から得点し、18―20で終えた。最後の第9セット。加納が、金メダルをかけて臨んだ。得点を重ねていき、残りわずか6秒で同点に追いつく執念を見せる。そして突入した延長戦で、ハンガリーにポイントを許し、銀メダルとなった。

加納は「(第9セットは)自分なりに攻めて追いつくことができて、最後1本勝負になって、プライオリティーがあっちにあったので、自分がある程度プレッシャーをかける必要があった。もうちょっとプレッシャーをかけて、最後飛び込んでいくつもりでいたけど、その前に(相手選手が)剣を出してきたので、そこのフェイントに反応してしまい、そこでやられてしまった」と振り返った。

もちろん、金メダルを目指していた中での2位は悔しさが募る。それでも加納は「実力は確実に上がっている。自力で(五輪に)出場できたのも初めてだし、前回多少ラッキーもあっての金メダルだったけど、実力で出場して決勝までいけたので」。また、見延も「前回の金メダルは大逆転というドラマのような試合があったけど、今回はハラハラしながらも接戦を勝ってきて日本の力を示せた」と胸を張った。

決勝までの道のりは、進化の証しだった。初戦の準々決勝ベネズエラ戦は、第5セットを終えて13―14とリードを許すも、第6セットに山田が5ポイントを挙げて18―17と逆転。その後は着実にリードを広げて勝負を決めた。準決勝のチェコ戦は、第6セットに加納が8ポイントを奪われ、点差を詰められると、第7セットに逆転を許した。万事休すかと思われた第8セットに、加納が6ポイントを奪って決勝に進んでいた。

今回はエペ勢だけでなく、女子フルーレ団体を加え、フェンシングは3個のメダルを奪取。そんな状況について見延は「今回は全種目でメダルを狙えるところだったし、東京五輪へ強化してきた成果。それにあぐらをかくことなく、この状況を見て始めてくれる子供たちが、少しでも増えてくることを願いたい。僕たちは、持っている技術をしっかり後世に伝えていかないといけない」と力説した。

そのためには大舞台での結果も重要になる。戦いを終えたばかりの加納は、2028年ロサンゼルス五輪に向けて「ロスでは個人、団体で金メダルを目指して4年間かけてやっていきたい」とリベンジを誓った。フェンシング日本勢のさらなる躍進を期待したいところだ。

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