Infoseek 楽天

【バレーボール】西田有志〝雑草魂〟でメダルへのキーマンに! 妻・古賀紗理那からも刺激

東スポWEB 2024年8月3日 8時29分

金メダルへの〝キーマン〟となるか。パリ五輪のバレーボール男子1次リーグC組第3戦(2日=日本時間3日、パリ南アリーナ)が行われ、日本は米国に1―3で敗れるも1勝2敗の3位で決勝トーナメント進出を決めた。西田有志(24=大阪ブルテオン)が両チーム最多の18得点と活躍。三重・海星高時代に養った〝雑草魂〟と、女子代表で妻の古賀紗理那(28=NEC)から受けた〝刺激〟で、負けたら終わりの戦いに挑む。

自慢の左腕でチームの窮地を救った。日本はこの試合をストレートで落とすと、自力での決勝トーナメント進出が消滅。最低でも1セットを奪う必要があったが、第1セットを16―25、第2セットを18―25で落とした。

すると第3セットに調子の上がらない主将・石川祐希(ペルージャ)をベンチに下げる荒療治を敢行。そんな危機的状況で西田は鋭いサーブ、強烈なスパイクで得点を積み重ねた。試合後には「うまくいかないことが重なりながらも、1次リーグを勝ち抜いた。本当にここは吹っ切ってやるしかない」と力を込めた。

1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりの金メダルを目指す男子代表の主軸に上り詰めた西田。中学時代に三重県選抜で全国の舞台を経験したが、高校は地元の海星高に進学してチームとして目立った結果は残せなかった。しかし当時の経験が、逆境に強い西田のプレーに生かされている。

西田の高校時代を知る関係者は「海星の選手たちはボールへの執念が強すぎて、隣のコートまで飛んでいくようなボールを、コートとコートの間の(仕切り用の)ネットをよじ登ってでも取りに行くくらいの執念を持っていた」と証言。愛知・星城高時代に2年連続で3冠(全国高校総体、国体、全日本高校選手権)を達成した石川、京都・東山高を全日本高校選手権初優勝に導いた高橋藍(サントリー)のようなエリート街道を歩んできたわけではない。それでも、負けん気の強さで道を切り開いてきた。

そうしたメンタリティーは私生活にも変化をもたらした。食事面では好物のパスタを控え、試合前のみ炭水化物を増やす取り組みを実施。さらに西田が「常にストイック。僕もストイックだと思うが、それ以上」と話す妻の影響で、早寝早起きの習慣を身につけて、今ではバレー漬けの生活を送っている。

初の五輪となった今大会は、2―3で敗れた初陣のドイツ戦で20得点を記録。3―1で勝利した第2戦のアルゼンチン戦でも5本のサービスエースを含む21得点と絶好調。「常に自分はやることを変わらずにやり続けている。今、自分がやらないといけない部分だったりとか、何にフォーカスしないといけないのかが鮮明になっている」と大舞台でノッている。

負けたら終わりの決勝トーナメントは、準々決勝から各組の上位と対戦する。厳しい戦いが待ち受けるが「自分はこのパフォーマンスをずっと維持するべき。石川選手もすごい苦しんでいるチーム状況だが、大塚選手(達宣=大阪ブルテオン)も(途中から)出て、いいパフォーマンスを出していた。このチームは全員で戦っている」ときっぱり。絶好調のサウスポーを中心に、五輪の頂を目指す。

この記事の関連ニュース