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【柔道】騒動続出で熱戦も台なし 小川直也氏は柔道界に提言「ルールブック見ろよ、の姿勢じゃなく…」

東スポWEB 2024年8月5日 5時37分

柔道競技は3日(日本時間4日)に終了し、日本は金3、銀2、銅3と計8個のメダルを獲得した。一方で初日から〝疑惑の判定〟が続出。銀メダルだった最終日の混合団体決勝フランス戦では、代表戦の階級決定をめぐり〝疑惑のルーレット〟騒ぎまで起きて大きな波紋を呼んだ。選手たちの奮闘をよそに揺れに揺れた今大会を、バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(56)が総括した。

男子60キロ級準々決勝で永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)は、「待て」がかかった後に絞め落とされて一本負けで大騒動に。これを皮切りに女子52キロ級の阿部詩(パーク24)、男子73キロ級の橋本壮市(同)、90キロ級の村尾三四郎(JESグループ)、100キロ級のウルフ・アロン(パーク24)らが敗れた試合でも微妙な判定が相次いだ。

さらに混合団体決勝で日本とフランスが3―3で並び代表戦に持ち込まれると、デジタルルーレットによる抽選で階級が90キロ超級に決定。国民的英雄テディ・リネールの出番となってフランス有利になり、ネット上では「やらせだ」などと疑問の声がわき起こった。

小川氏は「まあ、ルーレットは腑に落ちないけど…。混合団体決勝は素晴らしい試合の連続だった。それだけに〝疑惑の判定〟ばかりクローズアップされたのは残念すぎる」と指摘。その上で、判定をめぐるトラブル続出には「五輪をいかに面白く、柔道を素晴らしいものにするかで4年かけてルールを変えていく。でも五輪は対世間。そこで4年に1回しか柔道を見ない人たちから賛否両論上がって、一貫性がなくなりブレてしまったのでは。柔道の魅力を伝える際に知らない人たちを引き込む作業、誰もが納得する説明をする配慮に欠けた。説明不足ってことだな」とみている。

五輪は柔道を競技としてアピールする最高の舞台だが、その一方で五輪でしか柔道を見ない大多数の目に触れる。小川氏は「臭いものにはフタをしろの体質がまだ残っている。もう少しオープンにして、世間に対して『こういうルールなんだから』と言わないと。柔道を世間に認知してもらって、人気がほしいと願うのであれば、積極的に説明していかないとな」とぴしゃり。

続けて「オレがプロレス界にいたころ、よく『ムラ社会』って表現をしていたけど、柔道も同じ〝ムラ化〟してる。IJF(国際柔道連盟)が発信しない限り、日本の柔道家でも説明が分かれると思うよ」と、師匠・故アントニオ猪木さんの「環状8号線理論」ばりに訴えた。

「柔道がわかんないんだったらルールブック見ろよ、の姿勢じゃなくて、Xでもインスタでも1個1個丁寧に説明が必要だよね。永山選手の件だって、『落ちたからダメ』ってすぐに説明していれば、こんなに大騒ぎにならなかったのになあ」

4年後のロス五輪まで柔道界の認識は変わるのだろうか。

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