Infoseek 楽天

パリ五輪メダルラッシュで好機?岸田首相〝政権浮揚カード〟国民栄誉賞の授与あるのか

東スポWEB 2024年8月5日 11時50分

パリ五輪で連日のメダルラッシュで日本中が沸き立つ中、岸田文雄首相は金メダリストに電話する“キッシーフォン”で話題を提供した。9月に自民党総裁選を控え、いまだ態度を明らかにせず党内がやきもきしている中、国民栄誉賞の“政権浮揚カード”を切るかが注目される。

岸田首相は先月28日、パリ五輪で日本勢で初の金メダルを獲得した柔道女子48キロ級の角田夏実に電話し、「『世界の角田』『巴投げの角田』を示してくれたことに本当にみんな喜んでいる。多くの皆さんに感激を与えてくれて、本当に感謝しております」と祝福した。

「五輪の金メダル第1号に電話をするのは時の政権の恒例行事です。3年前の東京五輪の時は菅義偉首相が柔道の高藤(直寿)選手に自国開催ながらも電話をしたくらい。いつもはぶっきらぼうな菅首相が冗舌だったことで、支持率回復に必死だったことを思い出しました」(自民党関係者)

状況は菅政権末期と酷似している。支持率低迷にあえいだ菅首相は9月の総裁選告示2週間前に突如、総裁任期をもっての首相辞任を表明。岸田首相も相次ぐ政治とカネの問題で、支持率は低迷し、総裁選に打って出ても負けるのでは、との見方が強い。

「岸田首相周辺は続投は既定路線だと吹聴しており、総裁選に色気がある茂木敏充幹事長や河野太郎デジタル相らは(首相を支える立場の)党三役や閣僚とあって、態度を表明できないまま動きを封じられています」(同)

自民党には堀井学衆院議員や広瀬めぐみ参院議員が政治とカネの問題で、特捜部の強制捜査が入り、再び激震が走った。
「またかという話ではあるが、党内的には堀井氏が旧安倍派、広瀬氏が麻生派だったことで、総裁選で両陣営のイメージダウンを狙った政権と検察が内通しての動きともささやかれました。派閥解散や政倫審出席など岸田首相はとにかく何を考えているかわかりません。首相のイスにしがみつくためなら総裁選までまだ何をしてくることやら」(同)

岸田首相は1日には、秋をメドに物価高対策での重点支援地方交付金の策定プランを示唆し、やる気満々。となるとパリ五輪での日本勢の活躍を見て、国民栄誉賞の授与を政権浮揚のカードに使ってもおかしくないところだ。

岸田政権では就任直後の2021年にリーグMVPとなった大谷翔平に国民栄誉賞の授与を打診したが「まだ早い」との理由で断られた。昨年3月にパラリンピックの車いすテニス男子で4個の金メダルを獲得し、現役引退を表明した国枝慎吾氏に授与したのが最後だ。

支持率どん底だった森喜朗元首相がシドニー五輪の女子マラソンで優勝した高橋尚子に、菅直人首相が女子W杯で優勝したなでしこジャパンに国民栄誉賞を授与し、人気取りとの批判も浴びたが、もはやその批判にも慣れたものだ。日本のメダルラッシュを最も期待しているのは岸田首相かもしれない。

この記事の関連ニュース